2012 Fiscal Year Research-status Report
RNA医薬を搭載した標的指向型多機能性エキソソームの開発
Project/Area Number |
24659260
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 有己 京都大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (00547870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 喜信 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30171432)
西川 元也 京都大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (40273437)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | エキソソーム / ルシフェラーゼ / イメージング / DDS |
Research Abstract |
エキソソームは細胞から分泌される、粒子径30~100nm程度の脂質膜から構成される膜小胞である。エキソソームはその中に内封された核酸やタンパク質を、エキソソームを取り込んだ細胞に送達することで細胞間情報伝達手段として働いていることから、small interfering RNAを始めとした核酸医薬品の安全かつ効率のよいデリバリーキャリアとなりえることが期待されている。エキソソームを用いたデリバリーシステムの開発にはその体内動態の解析と制御が必要であるが、体外から投与されたエキソソームの体内動態については不明な点が多く、その体内動態の解析方法も確立されていない。そこで本研究では、エキソソームを利用した核酸デリバリーシステムの開発を目的として、エキソソームの体内動態解析方法の開発を行った。エキソソーム移行性タンパク質であるlactadherinをレポータータンパク質であるGaussia luciferaseとの融合タンパク質(gLuc-lactadherin)とすることで、エキソソームレポータータンパク質とし、これを発現するプラスミドDNAを構築した。gLuc-lactadherin発現プラスミドDNAをマウス黒色細胞腫B16-BL6細胞にトランスフェクションした後、エキソソームを回収することで、gLuc-lactadherin標識エキソソームを調製可能であった。また、作製した標識エキソソームをマウスに静脈内投与した後、gLuc活性を指標に体内動態を解析したところ、エキソソームの血中半減期は1分程度と非常に短いこと、投与されたエキソソームは肝臓・脾臓・肺などの臓器に主に移行することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの検討において、エキソソームの体内動態を解析可能なシステムの開発に成功したことから、本研究はおおむね順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発した体内動態解析方法は、遺伝子導入が可能な細胞に限られること、標識エキソソームが細胞に取り込まれた後に分解するとgLucの活性が消失するために、エキソソームの各臓器への蓄積を解析するには適さない、などの制限があることから、gLuc-lactadherinの組換えタンパク質の調整と、gLucのかわりに放射性同位体を用いる標識方法の開発を行う予定である。体内動態解析方法の最適化を行った後、種々の細胞からエキソソームを回収した後に体内動態を解析し、治療に望ましい体内動態を有するエキソソームを産生する細胞の選別を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)