2013 Fiscal Year Annual Research Report
RNA医薬を搭載した標的指向型多機能性エキソソームの開発
Project/Area Number |
24659260
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 有己 京都大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (00547870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 喜信 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30171432)
西川 元也 京都大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (40273437)
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Keywords | エキソソーム / ルシフェラーゼ / イメージング / DDS |
Research Abstract |
エキソソームはsmall interfering RNAを始めとした核酸医薬品の安全かつ効率のよいデリバリーキャリアとなりえることが期待されているが、その実現にはエキソソームの体内動態の解析が必要である。本研究ではエキソソームの体内動態解析の開発と評価を行った。前年度の検討において、エキソソーム体内動態の定量的な評価系の確立を目的として、レポータータンパク質Gaussia luciferase (gLuc) とエキソソーム移行性タンパク質 lactadherin との融合タンパク質gLuc-lactadherin をデザインし、その発現プラスミドDNAをエキソソームの産生細胞に遺伝子導入することで、エキソソームをgLuc-lactadherinで標識することに成功した。また、マウスを用いた検討から、gLuc-lactadherinで標識したマウスメラノーマB16-BL6細胞由来エキソソームは、静脈内投与後、約2分の消失半減期で全身循環から速やかに消失し、肝臓ならびに脾臓、肺に移行することを明らかにした。そこで本年度では、このエキソソームの血中からの速やかな消失の要因の解析を試みた。エキソソームのおもな消失機構として、エキソソームの細胞による取り込みが考えられた。そこで、静脈内投与したエキソソームの取り込み細胞について、リポソームなどの微粒子製剤の消失に関与するマクロファージに焦点を当てて検討した。蛍光標識したエキソソームを用いて検討を行った結果、投与されたエキソソームは肝臓・脾臓においてはマクロファージに、肺においては血管内皮細胞に取り込まれることを見出した。また、クロドロネート封入リポソームの投与により全身のマクロファージを除去したマウスにおいて、エキソソームの血中からの消失が著しく遅延することも見出した。以上の結果は、エキソソームの血中からの消失におけるマクロファージの重要性を示すものである。
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