2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659265
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
岡田 尚巳 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部, 室長 (00326828)
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Keywords | ゲノム / 遺伝子 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
本研究では、高精度かつ高機能で安全な細胞治療技術の開発を推進するため、治療細胞染色体の特定部位に高い効率で外来遺伝子を組込む技術の開発を行う。疾患の原因となっている病態関連遺伝子の修復を高い効率で安全にかつ正確に行うため、標的染色体の特定部位において高い効率で遺伝子組み換えを行うためのベクター系を構築し、標的細胞に効率よく外来遺伝子を導入する条件を検証した。安全かつ高効率なホストゲノムの修正に有用な、二本鎖DNAの一方の鎖のみを切断するNicking酵素活性部位を付加したTranscription activator-like effectors (TALE)を搭載したベクターの開発を行った。標的とするゲノム領域のモデルとして、導入された遺伝子がlocus effect によるサイレンシングを受けず、致命的な遺伝子を含まない、AAV integration site 1(AAVS1)領域を選択した。また、動物種には、ヒトと同じ霊長類であり、ゲノムの相同性が非常に高く保存されているコモンマーモセットを用いた。ヒトのAAVS1 領域については19 番染色体(19q13.4 qtr)に存在することが知られるが、マーモセットでは22 番染色体上の45.95-8Mb 付近に存在する相同領域中1.6Kb が未知であった。独自に解析したところ、AAVゲノムの挿入に必須とされるRBSおよびTrs配列まで保存されている事を確認した。これらは野生型AAVゲノムがホストゲノムに挿入される際に必要であり、この近傍領域はゲノム編集を行っても安全であり、これらの配列を認識して結合するTALEを設計し、TALE-Nickaseを発現するカセットを搭載したベクタープラスミドを構築した。さらにDMDモデル動物の病態解析を推進すると同時に、治療用細胞の調製法やIL-10を利用した機能強化の作用機構と効果を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
疾患の原因となっている病態関連遺伝子の修復を高い効率で安全にかつ正確に行うため、標的染色体の特定部位において高い効率で遺伝子組み換えを行うためのベクター系を構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
標的細胞に導入後、発現タンパク質を抽出し標的配列を含むプラスミドを用いて培養細胞の系で切断活性を確認する。また、各々のベクターの導入時期と投与量について諸条件を検討する。ベクターの導入時期については、DSBが引き起こされて遺伝子損傷修復機構が最も活性化される段階を、Real-Time-PCR法によって遺伝子修復に関与する遺伝子発現をモニタリングして検証する。細胞内での遺伝子修復機構が最も活発な時点でターゲティングベクターが細胞内に存在する様に遺伝子導入のタイミングを調節することにより、遺伝子相同組換えの効率の向上が期待される。
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[Journal Article] Impaired viability of muscle precursor cells in muscular dystrophy with glycosylation defects and amelioration of its severe phenotype by limited gene expression2013
Author(s)
Motoi Kanagawa, Chih-Chieh Yu, Chiyomi Ito, So-ichiro Fukada, Masako Hozoji-Inada, Tomoko Chiyo, Atsushi Kuga, Megumi Matsuo, Kanoko Sato, Masahiko Yamaguchi, Takahito Ito, Yuki Katanosaka, Yuko Miyagoe-Suzuki, Keiji Naruse, Kazuhiro Kobayashi, Takashi Okada, Shin’ichi Takeda , and Tatsushi Toda
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Journal Title
Human Molecular Genetics
Volume: 22
Pages: 3003-15
DOI
Peer Reviewed
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