2014 Fiscal Year Annual Research Report
細胞形態での診断が困難な転移性腫瘍に対する血液での革新的な核酸検査法の開発
Project/Area Number |
24659277
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Research Institution | Takarazuka University |
Principal Investigator |
巽 圭太 宝塚大学, 看護学部, 教授 (00222109)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | LAMP法 / 循環腫瘍細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ヒトのサイログロブリン(Tg)、TSH受容体(TSHR)とβアクチン (ACTB) 遺伝子について高効率RT-LAMP法を開発するためのRT-LAMP法用のプライマーの設計を行い、検証用cDNAを用いてRT-LAMP法での高効率増幅系の技術開発を行った。 ヒトの Tg mRNA、TSHR mRNAと ACTB mRNAについて、各々2箇所、1箇所、1箇所でFIP、BIP、F3、B3 の4本セットのLAMP法用のプライマーの設計・合成を行った。これらをヒト甲状腺total RNAを用いてRT-LAMP法を行ったところ、 0.25μgでは9-15分で増幅が検出された。同量のヒト白血球total RNAを用いたところ、 ACTB mRNAは全てのtotal RNAと同程度の増幅を認め、TSHR mRNAでは増幅を認めなかったが、 Tg mRNA2箇所では増幅を認めた。Tg mRNA2箇所とも増幅時間が倍になり、正常白血球中の微量のmRNAの検出に有用であることを確認した。 検出感度では、甲状腺total RNAでは、概ね10,000希釈までは検出可能、1,000,000希釈からは検出困難で、半定量性を確認した。 以上のように、Tg mRNA については白血球に少量ながら有意に発現していることを確認したので、少なくともTg mRNA については当初計画していた細胞毎に遺伝子発現の有無を調べる方法より、量的な遺伝子発現レベルで比較する方法が適切だと明らかに出来た。他の遺伝子についても、まずRT-LAMP法で量的な遺伝子発現レベルの比較方法を確立し、今後は、このRT-LAMP法が増幅産物を反応容器から出さない系で増幅産物が増幅前の鋳型を初めとする反応系に混入するコンタミネーションの心配が無い系であるので、量的な遺伝子発現レベルで症例間で循環腫瘍細胞につき比較検討していく予定である。
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