2013 Fiscal Year Annual Research Report
生体内活性酸素種生成量の間接的推定法の開発と臨床応用
Project/Area Number |
24659288
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
水上 智恵 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 流動研究員 (10623738)
|
Keywords | 活性酸素 / 分子状水素 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
平成25年度においては、基礎的検討のひとつとして水素ガス吸入によるROS評価と臨床試験として種々の生活習慣が水素消費量・ROS生成量に与える影響を検討する計画を立てた。予備的検討として市販の密閉型マスクによる試験を実施したところ、必ずしも一致しなかった。マスク呼吸による鼻呼吸とマウス呼吸による口呼吸の影響によるものと考えられ、さらに詳細な検討が必要となり今後の課題となった、他方、水素消費量の予備試験では水素水飲水法と水素ガス吸入法を検討したところ、ヒトでは38%程度の水素消費量を認めた結果の妥当性を検証するため、心・肺などで活性酸素の上昇が報告されているモノクロタリン誘発性肺高血圧症ラットを用いて水素消費量の検討を行った。正常ラットの水素消費率は28%であったのに対してモノクロタリン肺高血圧症では32%とやや上昇したものの有意差は認められなかった。すでに報告されているし健康成人を対象とした方法(マウスピース法)では38%,自然呼吸の場合の簡易的な水素水飲水法で行った水素消費量の推定値は20~25%程度と予測した値よりも大きく、マウスピース法の場合では平成25年度は麻酔人工呼吸器下でのラットを用いて、準閉鎖系での水素水飲水の際の水素消費量を評価した。また、水素分子の溶存以外にも分子吸着の存在を示唆している報告もあるため、血液中への水素溶存が血液水分以外にもあるか否かを検討した。当初予定の研究計画を進めるにあたって、水素水飲水法と水素ガス吸入法の水素ガス摂取のより詳細なメカニズムを明らかにする必要がでてきた。そこで、疾患モデルを用いた検討が必要になった。そのため、当初予定の研究計画の実施は遅れることになったが、本研究の成果として生体内における水素ガスカスケードの存在と肝臓における水素消費が明確になった。水素分子の生体内機能を明確にする上で一定の成果がは得られた。
|