2012 Fiscal Year Research-status Report
モルヒネ耐性発現における活性代謝物モルヒノンの役割解明
Project/Area Number |
24659289
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
成松 鎮雄 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20113037)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 順治 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30332795)
埴岡 伸光 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70228518)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | モルヒノン / モルヒネ / エピモルヒネ / 耐性発現機構 / μ-受容体 |
Research Abstract |
1) ヒトにおけるモルヒネからモルヒノンの in vivo 生成確認 岡山大学病院、就実大学の共同研究において、モルヒネを用いた緩和療法患者さんより得られた尿をLC/MS/MSで解析した。その結果、検討した全ての患者尿(10サンプル)からモルヒノン(30~1600 pmol/ml)が検出され、ヒト生体内でモルヒネからモルヒノンの生成することが確認された。 2) モルヒネ及びエピモルヒネからのモルヒノン生成及びその逆反応の検討 モルヒネとそのジアステレオマーであるエピモルヒネを基質として、ヒト、カニクイザル、ラット及びモルモットの肝細胞下画分を酵素源、NAD(H)あるいはNADP(H)を補酵素としてモルヒノン生成反応、並びにモルヒノンを基質とした時のモルヒネあるいはエピモルヒネ生成反応をin vitro実験で検討した。その結果、モルヒネからモルヒノン生成反応の活性はモルモット>ラット>カニクイザル>ヒトの順番であった。エピモルヒネからのモルヒノン生成はいずれの動物種においても確認されなかった。また、モルヒノンの還元反応ではいずれの動物においても、専らモルヒネ生成が認められ、エピモルヒネ生成は確認されなかった。従って、モルヒネの6位水酸基の脱水素反応、還元反応には厳密な立体選択性があると考えられる。 3) ヒト胎児腎臓由来HEK293細胞におけるラットμ-受容体の動態 福岡大学との共同研究で、蛍光タンパク質融合型ラットμ-受容体を発現させたヒト胎児腎臓由来HEK293細胞に、モルヒノンを添加して受容体の細胞内動態解析およびモルヒノンと受容体との結合体の確認を目的として、現在実験系構築を進めている。当初の計画では実験動物としてマウスを用いることにしていたが、ラットμ-受容体遺伝子を福岡大学の山野グループが既に所有していたことから、ラットに変更した。計画遂行には全く問題はない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究計画書の記述した項目の80%以上は達成できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
蛍光タンパク質融合型ラットμ-受容体を発現させた細胞系に、モルヒノンを添加して、受容体の細胞内動態を解析する。また、モルヒノンとラットμ-受容体との結合の有無を検討するとともに、結合部位を調べる。さらに、ヒトにおけるモルヒネからモルヒノン生成反応に関与する酵素の特定を進める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
来年度の計画に従い、専ら、試薬類、動物(ラット)に使用し、機器類は購入しない。
|
Research Products
(1 results)