2013 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛における神経選択的スプライシングを標的とした発症機序解明
Project/Area Number |
24659295
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
下條 正仁 関西医科大学, 医学部, 講師 (90591925)
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Keywords | 神経因性疼痛 |
Research Abstract |
神経因性疼痛モデルマウスは、既報のマウスDRG L5-SNT法により作製した。1週間後、マウスのDRGを摘出し、DRGよりtotal RNAを調製した。L5-SNTでは、PACAPの発現上昇と疼痛発症の関与が報告されている。また、PACAPはRESTにより転写調節されている報告があることから、両者の発現の解析を行った。その結果、RESTスプライシングアイソフォームREST4の発現が上昇していることを明らかとした。神経細胞ではRESTからREST4へのスプライシングには、nSR100(SRRM4)が関与していることから、その発現を解析したところ発現上昇が認められた。PACAP遺伝子上にはREST結合配列に類似したNRS-like element(NRSLE)が報告されているが、レポータージーン解析とChIP解析の結果、さらにその遺伝子上流に新しいRE1を発見し、このRE1が機能していることが示唆された。RESTおよびREST4の細胞内局在を解析したところ、naive マウスでは両者共に核内に認められたが、L5-SNTでは、両者は細胞質へと局在が変化していた。以上の結果とこれまでの報告から、L5-SNTではnSR100さらにREST4の発現上昇が起こり、RESTと相互作用して局在が変化し、RE1を有するPACAP等の遺伝子発現が誘導されていることが示唆された。naiveおよびL5-SNTマウスのDRGを用いたmiRNAアレイ解析により、nSR100をターゲットとする2種のmiRNAの発現が減少していた。また、RESTをターゲットとする2腫のmiRNAの発現が上昇していた。以上の結果より、神経因性疼痛発症には、miRNAの変化がREST4の発現と、さらにRESTで調節される遺伝子発現が影響していることが考えられた。
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Research Products
(5 results)