2014 Fiscal Year Annual Research Report
トリクロロエチレンによるHypersensitivity特異蛋白の解明
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24659299
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
那須 民江 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (10020794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 久雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (90547556)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | トリクロロエチレン / Hypersensitivity / CYP2E1抗体 / トリクロロエタノール / HK293細胞 / NIH3T3細胞 / CYP2E1cDNA / 患者血清 |
Outline of Annual Research Achievements |
モルモットを使用した感作性試験から、トリクロロエチレンには強い感作性が、代謝物のトリクロロエタノールにも弱いながら感作性があることが判明した。この2物質に共通しているのは、代謝にCYP2E1が関与していることである。CYP2E1の局在は肝臓ミクロソームである。しかし、細胞の表面にも少量ではあるが発現している。CYP2E1蛋白は自身の触媒作用により生成した化学物質の活性代謝物と付加物を作成する場合がある。化学物質との付加物の生成はP450等の薬物代謝酵素の免疫原性を増大させ、変性蛋白に対する自己抗体の産生をプロモートすると解されている。これらのことから、本年はヒトCYP2E1 cDNAをpcDNA3.1D/V5 His TA発現ベクターに組み換えて、HK293細胞(ヒト腎臓がん)導入後、SDS-PAGEと Western blottingを行い、cDNAを導入していない細胞と比較し、ヒトCYP2E1の発現を確認した。次いで、NIH3T3(マウス ケラチノサイト)にも作成したベクターを導入した。両細胞抽出液をanti-CYP2E1と反応させ、Protein A Sepharose TM CL-4B(IgGを特異的に補足する)を用い免疫沈降して、anti-CYP2E1(rabbit), anti-rabbit-HRPで視覚化し、精製したものがヒトCYP2E1 であることを確認した。これらの細胞を患者と対照者(トリクロロエチレン曝露を60日以上受けたが、疾病を発症していない健康労働者)の血清で反応後、二次抗体anti-Human-HRPをつけて化学発光で視覚化した。その結果、患者の血清中にヒトCYP2E1 に反応するIgGが対照者より多く発現しており、CYP2E1に反応する自己抗体が多く発現しているかもしれない。
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Research Products
(2 results)