2014 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣および動脈硬化が肺年齢に及ぼす影響に関する縦断的研究
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24659311
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
松坂 方士 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70431434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中路 重之 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10192220)
梅田 孝 名城大学, 薬学部, 教授 (50311535) [Withdrawn]
高橋 一平 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70400132)
沢田 かほり 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50624889)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肺機能 / 動脈硬化 / 地域保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
岩木健康増進プロジェクトとして既に確保してある一般住民約1000人を対象に、肺年齢、脈波伝播速度(=動脈硬化の進行度の指標)、その他の呼吸機能に関連する項目を測定した。また、同時に生活習慣(飲酒習慣、喫煙習慣、運動習慣、労働状況など)についての聞き取りも行い、肺機能に関する健康状態を総合的に把握した。その結果、呼吸機能(努力肺活量、1秒量、1秒率)とbaPWVは男女とも負相関を示し、努力肺活量とbaPWVの負相関は年齢調整後も有意であった。女性では努力肺活量がABIと正相関を示し、年齢調整後は努力肺活量と1秒量がABIと正相関を示した。男性では呼吸機能とABIは有意な相関を認めなかった。baPWVおよびABIの群間比較では男女とも有意差が認められなかったものの、交絡因子の調整後は男性では拘束性換気障害群が他群よりbaPWVが高く、女性では正常群より拘束性換気障害群のABIが低かった。 岩木健康増進プロジェクトにおいて肺機能検査を開始したのは平成19年度であり、今年度(平成26年度)まで7年間の追跡が可能な参加者については縦断的な解析を行なった。具体的には、平成19年度に岩木健康増進プロジェクトを受診した際の肺機能検査の結果から、対象者を拘束性換気障害群、閉塞性換気障害群、正常群に分類した。その後、平成19年度の時点と7年後(平成26年度時点)を比較した際のbaPWVの変化が、3群間で差があるかを検討した。その結果、いずれの群でも7年間でbaPWVの上昇があったものの、群間での差は認められなかった。 今年度までの横断研究では拘束性換気障害と動脈硬化の進行が関連を示したものの、縦断研究では両者に関連がみられなかったことについては、(1)動脈硬化が進行している者が拘束性換気障害に罹患しやすい可能性、(2)縦断調査が可能だった参加者が少なかった可能性、などが考えられた。
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