2013 Fiscal Year Annual Research Report
国民の信頼を得て国際競争に勝る長期多施設共同コホートの研究ガバナンスに関する研究
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24659318
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
山縣 然太朗 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (10210337)
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Keywords | 研究ガバナンス / 出生コホート研究 / 倫理 / 研究組織 |
Research Abstract |
本研究の目的は長期多施設共同によるコホート研究における研究ガバナンスの要件を整理し、適切な中央事務局体制と機能、参加施設の役割と責務に関する提言をすることである。 研究方法は国内外の長期多施設共同によるコホート研究の実態を調査と全国調査による研究参加に対する国民の意識について調査した。 結果は次のようにまとめられる。研究体制は主任研究者が中央事務局を担っているところが多いが、環境省の「子どもの健康と環境に関する全国調査」(エコチル調査)や海外の出生コホート研究のような大規模な国家プロジェクトでは中心となる機関たとえばエコチル調査の場合は国立環境研究所、英国の出生コホート研究では縦断調査研究所が担っている。また、科学技術機構・社会技術研究開発センター(JST/RISTEX)による「日本における子供の認知・行動発達に影響を与える要因の解明」研究は研究費提供者であるJST/RISTEXに事務局に置かれ統括グループとともにマネージメントを担っていた。研究ガバナンスについては多くの研究プロジェクトは第三者委員会を含む各種委員会を組織してそれにあたっていた。。 提言としては1.研究マネージメントは科学的な視点と研究ガバナンスの両面から行うことが必要であり、チームとして組織されるべきである。2.研究ガバナンスとしては基本原則(明確な目的、研究組織と決定プロセス、研究費の取り扱い)、規範の順守(倫理問題検討、リスク管理、危機管理)、最適な実施方法(研究補助者の育成、各種標準手順書の作成)を基本に整備し、アウトリーチ活動のあり方や結果の公表の際のサイエンスコミュニケーションのあり方、他の研究者とのデータの共有活用のあり方について国際標準を踏まえた検討を行って、研究組織を構築する必要がある。
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