2014 Fiscal Year Annual Research Report
調剤業務に伴う薬物曝露に起因する健康障害とその対策に関する研究
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24659319
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
井奈波 良一 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10168411)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 社会医学 / 産業衛生 |
Outline of Annual Research Achievements |
岐阜県内の総合病院(11施設)における調剤室内の浮遊粉じん量測定及び捕集した浮遊粉じんの成分分析を実施した。成分分析の対象は、昨年度、精神科病院で調査したクロルプロマジン、ハロペリドール、レボメプロマジン、オランザピン、リスペリドン、プロメタジン、ゾピクロンの8成分に、ファモチジン、ランソプラゾール、アセトアミノフェン、クラリスロマイシンの4成分を加え11成分とした。浮遊粉じん測定は、調剤室内の平均的な状態を把握する測定(A測定)及び労働者のばく露が最大と考えられる場所と時間における測定(B測定)をデジタル粉じん計にて実施した。 成分分析は、浮遊粉じんを捕集したろ紙に水・メタノール混液(1:1)10mLを加え、超音波で30分間抽出を行い、この抽出液を液体クロマトグラフ質量分析装置により多成分一斉分析を実施した。 調査の結果、集塵装置の無い3施設のうち2施設は、他の施設と比べてやや高い値を示した。ただし、これらの施設は、「建築物環境衛生管理基準の0.15mg/m3以下」との比較では、建築物環境衛生管理基準を満足しており、調査時における調剤室内の清浄度は一定の管理水準を確保していた。また、集塵装置が稼動している施設では、全般的に低い値を示しており、調剤室内の清浄度は非常に高いと思われる。 成分分析では、集塵装置が設置されている2施設でアセトアミノフェンが検出されたが、測定時に分析対象成分の薬剤を調剤していない場合は、ろ紙に捕集されないため、多くの施設で不検出になったと思われる。また、成分分析対象の薬剤を調剤していても、使用量が少ないか、集塵装置が良好に稼動している施設では不検出になったと思われる。
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Research Products
(2 results)