2014 Fiscal Year Annual Research Report
作業療法の手法を使った認知症高齢者ケアー「できる」を生かす実践ツールの開発ー
Project/Area Number |
24659328
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
近藤 敏 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (70280203)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 認知症 / 高齢者 / 一人暮らし / 作業療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
一人暮らしの認知症高齢者が多少のトラブルを起こしながらも能動的に暮らせるよう,作業療法の技術を一般化し,認知症高齢者をケアする人たちに使用可能なツールを開発した.介護支援専門員等21名を対象に,担当している一人暮らしの認知症高齢者34名について,日々の生活や公的介護サービス,近所の人々や遠方の家族によるサポート等について語ってもらい,これをデータ化し,作業療法士が既に開発した9の技能を用いて解釈することで,一般の人達に使用可能な実践的ツールを提示した.具体化したツールは以下の通りである.①適応(本人及び周囲が状況に合うように工夫する):ガスには「火を消しましたか?」,レンジには「中に物は残っていませんか」と張り紙をして視覚的に訴える他26項目,②代弁(本人に代わり説明する):包括が認知症であることを郵便局の人に伝え,入出金に立ち会ってもらうように交渉する他11項目,③コーチ(本人が力を発揮できるように励ます):デイサービスで職員が畑仕事を見守り,また共に行い,ねぎらい褒める他8項目,④協働(本人または周囲が一緒に取り組む):記憶力が低下しているため感じたこと,思ったことを話し合い共有することで不安を軽減する他10項目,⑤相談(相談にのりアドバイスする):ゴミの分別が難しく,ケアマネが町内会に,ヘルパーが来る日に捨てられるように相談する他15項目.⑥調整(状況を整える,まとめる):服薬管理が困難であるため,1度に内服できるようケアマネが医師に相談し変更してもらう他13項目,⑦デザインと実行(資源の利用):福祉サービスの利用,地域活動へ参加する他17項目,⑧教育(本人や周囲への知識,情報の提供):本人が役割を持つことで落ち着くことをケアマネが家族に説明して理解を得る他13項目,⑨結び付け(作業,活動参加を促進する):デイサービスで活動の幅を広げ趣味を見つける他8項目.
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