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2012 Fiscal Year Research-status Report

薬毒物スクリーニング時、同時定量法の開発

Research Project

Project/Area Number 24659338
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

工藤 恵子  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10186405)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 林田 眞喜子  日本医科大学, 医学部, 准教授 (60164977)
坂 幹樹  東京大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (30447388)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords薬毒物スクリーニング / NAGINATA / QuEChERS法
Research Abstract

1)法医鑑定のための最重要薬毒物100種の選定
過去の中毒事例の詳細な調査により申請者らが選定した法医鑑定に必要な314種の薬毒物(Kudo et al. Forensic Toxicol28 (2010) 25-32)および過去10年間の解剖事例を参考に法医学鑑定のための最重要薬毒物111種類を選定した。選定された薬物の内訳は乱用薬物16、精神神経用剤23、催眠鎮静剤およびその代謝物35、その他の医薬品27、農薬6、天然毒3である。
2)前処理法の検討
上記111種類の薬物の中からGC/MSで分析が可能な85種を研究対象化合物とし、酸性から塩基性までの幅広い薬毒物を一度に高回収率で抽出可能な前処理法の検討を行った。抽出法は臼井らのQuEChERS法(Legal Med 14: 286-296, 2012)を基本に、除タンパクおよび抽出の手順と分散キット(PSA、C18およびその両方)の組み合わせについて検討した。抽出液は溶媒を留去後、アセチル化を行いGC/MSに導入した。得られた結果はNAGINATAソフトウェア上で解析し、回収率と相対定量値について比較検討した。全血を水で希釈後、アセトニトリルで除タンパク、その後抽出キットを加えて攪拌・遠心分離することで、回収率の向上が認められた。再現性向上と操作の迅速化を目的に分散キットは用いないこととした。本抽出法を用いると酸性薬物の回収率が飛躍的に向上し、内部標準物質のDiazepam-d5とほぼ同レベルとなったことから、回収率の補正を行わなくても信頼性の高い相対定量値が得られるようになった。薬毒物の検出については一部の領域で脂質等の妨害成分によりNAGINATAの自動検出が困難なものも認められたため、今後さらなる改良が必要と思われるが、薬毒物スクリーニングのための簡易な前処理法として有用であると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1)定量分析のための最重要薬毒物100種類の選定については、当初の目的を達成することができた。法医鑑定における最重要薬毒物に絞り込むことで、より実用性の高い研究成果が得られると考えている。
2)4種の抽出法による抽出効率の比較:当初は法医鑑定で用いられている4種の代表的固相抽出法(多機能型ポリマーFocus, 逆相充填剤Oasis HLB, 逆相-陽イオン交換ミックスモード固相Oasis MCX, 液―液抽出カラムExtrelut)を用いて上記100種の薬毒物を添加した血液を分析、直接スタンダードを導入した場合と比較して抽出効率を算出し、得られたデータを元にADMEWORKSというソフトウェアを用いて抽出効率を算出、定量値を補正することを考えたが、すべての薬物が同じように高回収率で抽出できる方法を検討した方がより効果的と考え、本ステップをスキップして次の検討を行った。
3)抽出効率が限りなく100%に近い方法の探索:酸性・塩基性に関わらず、すべての薬毒物が100%近い高回収率で抽出可能な方法としてキャッチャーズ法(アセトニトリル除タンパク→脱脂)の改良を検討した。その結果、血液については多くの薬物で、高回収率となり、スクリーニング時に得られる相対定量値も信頼性の高いものとなった。血液以外の試料については今後の検討課題であるが、得られた結果を元に改良を加えれば実用可能となる段階までたどり着くことができると思われる。

Strategy for Future Research Activity

1)前処理法の開発については、血液についてはおおむね良好となったため、血液以外の体組織、すなわち尿、肝臓、腎臓等の固体組織へも応用可能な方法の検討を行う。
2)簡易な前処理のため妨害成分が検出される場合はNAGINATAのソフトウエアの改良で薬物の確認と信頼性の高い、相対定量値が得られる方法を検討する。
3)実際の法医学試料に応用して問題点を把握、改良を加えて、スクリーニング時、同時定量法の開発を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

おもに、前処理に用いる試薬、およびGC/MS分析のためのカラムに用いる予定である。
国内学会への参加と発表のための旅費として使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 2012

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 薬毒物スクリーニング時、同時定量法の開発―前処理法の再検討2013

    • Author(s)
      工藤恵子,臼元洋介,鮫島直美,辻彰子,池田典昭
    • Organizer
      第97次日本法医学会学術全国集会
    • Place of Presentation
      札幌
    • Year and Date
      20130000
  • [Presentation] LC-MS/MSによる法医鑑定のための最重要薬毒物の定量的スクリーニング法の開発2012

    • Author(s)
      工藤恵子、土橋 均、片木宗弘、臼元洋介、志摩典明、財津 桂、坪井健人、鈴木廣一、池田典昭
    • Organizer
      第96次日本法医学会学術全国集会
    • Place of Presentation
      浜松
    • Year and Date
      20120607-20120609

URL: 

Published: 2014-07-24  

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