2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659338
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
工藤 恵子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10186405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 眞喜子 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60164977)
坂 幹樹 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (30447388)
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Keywords | 薬毒物スクリーニング / NAGINATA / QuEChERS法 |
Research Abstract |
1)血液試料の前処理法の検討 メソッド開発に用いた比較的新しい血液では、QuEChERS法の1段階抽出(塩析アセトニトリル抽出)のみでも良好な結果が得られたが、腐敗を伴う法医学の試料では微量の薬物の検出にはさらなる精製が必要であることが判明した。そこでQuEChERS法の2段階目の分散キット(PSA, C18)に加えて、4種のC18系カラム 、アルミナ およびタンパク・脂質除去フィルタ(Captiva ND Lipids)による精製についても検討した結果、低濃度域での検出率がCaptiva ND Lipidsが最も高かったことから、QuEChERS-Captiva ND Lipidsの組み合わせによる新しい前処理法を確立した。本法は薬物添加血液において、酸性・塩基性薬物のいずれにおいても、高濃度では、CVが18%以下と極めて良好な再現性を示し、回収率もISのDiazepam-d5と同レベルの60-80%のものが多くみられたことから、相対定量値も添加濃度の52.5-168%の範囲に収まった。低濃度においても相対定量値の幅が広がったものの、同様の結果が得られたことから、Focusカラムに比して、より正しい濃度推定が可能となった。 2)鑑定試料での検証 多剤服用による中毒死が疑われた事例の血液についてFocusカラムと確立した前処理法で薬毒物を抽出、NAGINATA薬毒物スクリーニングを行った結果、Focusカラムでは酸性薬物で定量値と大きな隔たりが認められたが、新前処理法ではいずれの薬物も定量値とほぼ同レベルとなりスクリーニング時により正しい薬物濃度が得られるようになった。 3)血液以外の組織およびLC-MS/MS分析への応用 確立した前処理法を尿、肝臓、筋、脂肪等の組織に応用したところ、若干の知見が得られた。また本前処理法はLC-MS/MSスクリーニングにも応用可能であった。
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Research Products
(7 results)