2013 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現の変化に基づくアナフィラキシーショックの新規診断法の開発
Project/Area Number |
24659339
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
木村 章彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60136611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野坂 みずほ 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00244731)
石田 裕子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10364077)
近藤 稔和 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70251923)
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Keywords | アナフィラキシーショック / 法医診断 / 急性死 / ショック |
Research Abstract |
本研究は法医実務において診断が困難なことが多いアナフィラキシーショックの新しい診断法の開発を目指すものであり、25年度は24年度に採取したマウス試料を用いて、サイトカイン(Il1b, Csf1), ケモカイン(Ccl4, Ccl7),免疫調節に関わる遺伝子(Bl34, Lif, Cd69), 増殖因子(Egr3, Fosb), 転写因子(Maff),シグナル伝達分子(Dusp2, Thbd, Nr4a2) の遺伝子発現をReal-time RT-PCRにより解析した。しかし、死亡直後に採取したマウス臓器においては、これらの遺伝子発現に法医診断の指標となり得る有意な変化を見出すことはできなかった。アナフィラキシーにより急速に死亡したマウスにおいては、死亡に至る過程でこれらの遺伝子の発現誘導のスイッチが入っているものと思われるので、死亡後に超生反応により遺伝子発現が変化する可能性が考えられることから、死後2時間程度経過したマウスの臓器を試料として遺伝子発現を解析することを現在検討中である。また、免疫組織化学的検索においても従来からの報告のレベルを超える所見を見出せていない。今後のReal-time RT-PCRによる更なる解析において法医診断の有望な指標を見出すことができれば、見出した新しい指標に対する抗体を用いて免疫組織化学的にアナフィラキシーショックの痕跡を見出す方法の開発に繋げたいと考えている。また、Western blotting による解析についても、現在のところは十分な検討がなされていないので、免疫組織化学的と同様にReal-time RT-PCRの解析結果を反映させた検討を行いたいと考えている。本研究期間内に纏まった成果に到達することが出来なかったが、研究期間終了後も引き続き検討を行い、アナフィラキシーショックの新しい診断法の開発を目指す予定である。
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