2013 Fiscal Year Annual Research Report
カロリー制限関連microRNA:ヒト加齢疾患マーカーとしての可能性
Project/Area Number |
24659351
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
下川 功 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70187475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 隆浩 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40284674)
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Keywords | Mi-RNA / バイオマーカー / 代謝疾患 / 生活習慣病 / カロリー制限 / 老化 |
Research Abstract |
本研究計画では、実験的(カロリー制限マウス血漿に存在する循環型 miRNA (circulating miRNA: c-miRNAs)網羅的解析)及び疫学的(長崎県離島地域における動脈硬化と遺伝子多型解析)アプローチによって得られた解析結果を統合し、c-miRNA を指標とした加齢・加齢性疾患・生活習慣病のバイオマーカーの探索を目的とする。 近年、様々な病態に関与している血液中循環型 c-miRNAs の存在が認められた。従って、加齢や生活習慣病の発症にmiRNAが何らかの役割を担っていると考えられているが、分子メカニズムは未だ明らかにされていない。 そこで本研究では、まず初めに、長崎県五島市・雲仙市の住民健診受診者を対象とした疫学調査で集積された約3300の血漿、疫学データを利用して、肥満、高血圧、動脈硬化を有する人を、各群30 名程度を抽出し、それら血漿サンプルを調整した。そして、抗 ヒト Ago2 抗体を用いた免疫沈降法を用いて、調整された血漿サンプルに含まれる c-miRNA を精製した。最後に、定量 PCR 用サンプルを作製した。 複数のmiRNAを定量した結果、特定のmiRNAの発現レベルが高血圧群と肥満群において有意に低かった。さらに他のmiRNAを検索中であるが、いくつかのmiRNAの発現レベルと生活習慣病関連病態との相関が予測された。カロリー制限マウスで有意に変動したmiRNAは、代謝に関連していることが示唆された。今後、これらのmiRNAが制御する代謝経路の解析を進める予定である。
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