2013 Fiscal Year Research-status Report
抗ダビガトランモノクローナル抗体を活用したダビガトラン血中濃度測定法の確立
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24659355
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
大磯 茂 長崎国際大学, 薬学部, 准教授 (40513106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仮屋薗 博子 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (20437958)
森永 紀 長崎国際大学, 薬学部, 准教授 (60465771)
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Keywords | ELISA / ダビガトラン / 交差反応性 / 血中濃度測定 |
Research Abstract |
前年度の研究において、ダビガトランに対するモノクローナル抗体(DT-mAb-6BおよびDT-mAb-6D)の作製に成功したので、そのモノクローナル抗体を用いたELISAの開発を行った。両抗体を用いた競合的ELISAの検討において、8~125ng/mLの濃度領域の測定が可能であることが明らかとなった。ダビガトラン以外の薬物との交差反応性の検討では、プロドラッグ体であるダビガトランエテキシラートに対して若干の交差反応性が認められたが、他の類似構造を有する薬物や心房細動の治療などで併用が予想される薬物との交差反応性はみられなかった。Intra-assayやInter-assayによる検討においては、良好な精度で測定が可能なことが明らかとなった。血清中のダビガトランを測定可能か調べたところ、血清中ではダビガトランのタンパク結合能のために溶解した濃度との大きなずれが生じた。そこで、限外ろ過したろ液中の遊離型ダビガトランを測定可能か検討した結果、標準液をリンゲル液で調製することにより、高い精度で測定が可能になることが明らかとなった。今回、開発したELISAは、血中ダビガトランの遊離型濃度の測定に有用と思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり、ダビガトランに対するモノクローナル抗体を用いたELISAの開発に成功しており、研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の中で、マウスに投与後の血中濃度をELISAとELISA以外の測定法との比較ができていないが、次年度に実施できるようにしたい。ダビガトランのLC-MSによる測定方法の確立を進めたいと考えている。また、ヘパリンやEDTA入り採血管で採血した血液中のダビガトラン測定が可能かどうかなどの、臨床現場における応用へ向けた種々の条件のELISAへの影響も検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度において、LC-MSによるダビガトランの測定法を確立すべく検討を行ったが、装置の不調などにより、測定条件の検討を進めることができなかったために、LC-MS測定法検討用の消耗品の研究費に残余が生じた。 次年度において、LC-MS測定条件検討用の消耗品(カラムおよび移動相など)に120000円、その他ELISAの測定条件検討用の試薬として100000円、論文投稿用費用として100000円、学会発表等の旅費として300000円を使用する予定である。
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