2012 Fiscal Year Research-status Report
腸内嫌気性醗酵ガスによる新規食品機能概念の創生と代替医療への応用展開
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24659356
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
下内 章人 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (80211291)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 呼気水素 / 食物繊維 / 酸化ストレス / 嫌気性発酵 |
Research Abstract |
(1)疫学調査 倫理委員会で承認された「生体ガスの長期調査」参加者を対象とし,被験者には早朝空腹の状態で来研してもらい,高純度人工空気を約12分間呼吸した状態で安静時の呼気・皮膚ガスを採取し,H2以外にも超高感度質量分析による質量スペクトラムとCH4, CO, NO/NOX, O2, CO2等の低分子化合物の高感度ガス分析を行った.また採血による一般スクリーニング検査の他に種々の酸化ストレスマーカを分析した.これにより摂取食品・食品嗜好と生体ガスの相関性を明確にするための臨床データを蓄積した.(2)食品摂取による呼気水素と抗酸化ストレスの急性変動 健康成人を対象に,前日は呼気水素濃度を高める可能性のある食品をひかえ,早朝空腹状態で来研,まず採血用静脈留置針の留置を行い,①水または②牛乳を一定速度で摂取し,摂取前,摂取後9時間までの各1時間毎の呼気・皮膚ガス,唾液,静脈血ならびに尿を採取した.この結果,牛乳摂取に伴う呼気水素の上昇と抗酸化ストレス能(BAP)が有意な相関を示した.さらに種々の食品(大豆,豆乳,豆腐,ワカメ,玄米)を摂取し,呼気水素の上昇を認めたが,個体差が非常に大きいことを認めた.(3)嫌気性醗酵ガス成分検出法の検討 糞便塊を嫌気的に密閉容器に入れ,さらに窒素または人工空気ガスで充填,これを室温または38℃で加温し,主に硫黄化合物・アンモニアなどの放出ガスの検討した.この結果,純窒素・38℃で保温するとガス放出量が増加することが判明し,糞便中のガス放出システムの基礎的条件が分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度実施予定の研究課題の小項目3件(疫学調査,食物繊維の呼気水素の影響,糞便の分析最適条件)はおおむね順調に実施することができ,次年度の研究計画に繋ぐことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度実施した研究課題小項目3件のうち,疫学調査は継続し,食物繊維の呼気水素の影響については急性のみならず慢性長期効果も実施,糞便放出ガス計測システムの製作応用を平成25年度以降も予定通りに実施する.さらに繊維性食材が加熱・高圧処理によって食物繊維が破壊される可能性もあるため,食材の調理加工の影響についても検討する必要が出てきた.この点についても追加的な検討を実施する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
種々の繊維性食品の購入し,被験者を対象とした生体ガス・酸化ストレスを計測する臨床試験を実施するため,物品費として食材,ガス分析用消耗品,酸化ストレスアッセイキットならびに分析消耗品,被験者謝礼品などを購入する予定で,80万円を要する.その他,論文作成に関連して英文校正,投稿料などに10万円支出する予定である.
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Research Products
(6 results)