2013 Fiscal Year Research-status Report
腸内嫌気性醗酵ガスによる新規食品機能概念の創生と代替医療への応用展開
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24659356
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
下内 章人 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (80211291)
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Keywords | 難消化性多糖類 / 呼気低分子化合物 / 酸化ストレス / 腸内嫌気性発酵 / 食物繊維 |
Research Abstract |
平成25年度(2年目)は疫学調査の継続の継続として新規被験者150名を追加し,腸内醗酵性ガスと食品摂取・嗜好に関する追加調査を行った.これらの基礎データは吹田コホート調査における以後10年間にわたり食品摂取と抗酸化ストレス機能や心血管系疾患や代謝性疾患の発症率の関連を解明するための追跡調査対象者とした.さらに食品摂取による生体ガスと酸化ストレス機能の中期的変動を公募被験者で実施するための予備調査を行った.すなわち健康成人を対象に実験前日は午後7時以降は水のみ摂取可とした上で,早朝空腹状態で被験者には乳製品(牛乳,ヨーグルト,乳糖),食物繊維食(玄米)を代表食品として選び,そのいずれかを一定の方法で15分かけて摂取し,食前,食後9時間までの1時間毎に呼気を採取し,腸内嫌気性発酵の急性変動を観察した.一部の被験者には静脈血中の8OHdGならびに抗酸化能力をFREEアッセイにより分析し,呼気・皮膚ガス中の水素濃度とその他の微量成分を分析した.さらに健康成人を対象に延べ5回にわたる呼気低分子化合物の日内変動ならびに週内変動をみた.以上の予備的臨床試験結果をもとに中期的臨床試験の実施可能性に伴う課題,特に倫理的課題や実施上の問題の解決策について検討した.これをもとに実施プロトコルを作成し,平成26年度に中規模臨床試験を実施することとした.他方,メタン産生者の家族集積性,腸内嫌気性発酵の抑制効果のある食品の検討,糞便中の硫黄系ガス分子の定量的計測法に関する検討も行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腸内嫌気性発行ガスの疫学調査については概ね順調に研究計画を実施できたが,食物繊維・難消化性多糖類・乳製品に関する中期的な臨床試験が基礎的な検討に時間を要した.糞便ガス分析の独自計測法を開発したものの臨床実施にはなお工夫が要した.
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Strategy for Future Research Activity |
難消化性食物摂取による抗酸化効果の有無についての中期効果の臨床実証試験は次年度に実施することとする.糞便ガス計測にはより簡便かつ迅速な計測法も次年度に解決し,臨床試験実施に繋げたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
臨床試験の実施を次年度に繰り越したため残額57817円が生じた. 臨床試験に用いる摂取食品ならびにそれに要する消耗品の購入にあてる
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Research Products
(6 results)