2012 Fiscal Year Research-status Report
肝エネルギー代謝に関与する新規転写抑制因子の機能解析と代謝関連肝疾患治療への応用
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24659360
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
根本 朋幸 福井大学, 医学部, 助教 (20397277)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 糖代謝 / インスリンシグナル |
Research Abstract |
増殖分化に関与する転写抑制因子Id2はId2ノックアウトマウスの解析でインスリン感受性に関与する分子である可能性が示唆され、その分子メカニズムを明らかにするために、培養細胞を用いて解析を行った。 Id2過剰発現系としてId2発現のアデノウイルスベクターを作製し、HepG2細胞、3T3-L1細胞での発現を確認した。Tet-offシステムでId2発現量を調節可能にしたウイルスで、その容量依存性のId2発現も確認した。 また、Id2ノックダウン系としてId2 siRNAを合成し、293細胞で90%のノックダウン効率が得られた。 インスリン投与によりId2の発現が増加することより、その作用機序を明らかにするため、インスリンシグナルに重要なPI3キナーゼの阻害剤を用いてId2の発現を検討すると、HepG2細胞ではLY294002、Wortmanninの添加でId2の発現の増加を認めた。 インスリン刺激下でのId2と相互作用する分子を探索する目的で、FLAG-Id2をHepG2細胞で過剰発現させ、インスリン刺激ありなしで細胞抽出液を作製し、杭FLAG-M2アフィニティーゲルで免疫沈降し、得られた免疫沈降物をSDS-PAGEで泳動し、Sypro Rubby染色でその差を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Id2の過剰発現系とノックダウン系が確立できた。 3T3-L1細胞を脂肪分化させた上での感染高率およびトランスフェクション高率が低く、改善のため磁性粒子を用いて系を検討中。 インスリン刺激下でId2タンパクと結合するタンパクはまだ検出できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
Id2の過剰発現およびノックダウンでのインスリンシグナル伝達経路に関与する遺伝子の発現を定量的PCRで解析する。 Id2のグルコース取り込み能に対する関与を明らかにするため、トリチウムラベルした2-デオキシグルコースの取り込みを培養細胞を用いて検討する。 Id2 ノックアウトマウスを用いて糖負荷試験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品費を動物飼育、培養細胞用試薬、遺伝子およびタンパク発現解析用試薬に使用し、学会発表時の旅費および論文校正の費用として用いる計画である。
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