2013 Fiscal Year Research-status Report
肝エネルギー代謝に関与する新規転写抑制因子の機能解析と代謝関連肝疾患治療への応用
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24659360
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
根本 朋幸 福井大学, 医学部, 助教 (20397277)
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Keywords | インスリンシグナル / 転写因子 / Id2 / 糖代謝 |
Research Abstract |
増殖分化に関与する転写抑制因子Id2は、Id2ノックアウトマウスを用いたインスリン負荷試験でインスリン感受性の亢進を認めている。Id2が糖代謝に関与することが示唆され、Id2ノックアウトマウスを用いて解析した。 ICRマウスにインスリンを投与すると白色脂肪組織では1時間後にId2 mRNAの発現増加を認めた。肝組織ではId2 mRNAの発現量は2時間後に低下傾向を認めたが、筋組織ではId2 mRNAの発現は認めなかった。肝においてId2 mRNA量は絶食で低下し、摂食で増加を認めた。さらに、ある細胞周期関連因子のmRNA発現量は絶食で増加し、摂食で低下した。 インスリン刺激下でId2と結合する因子を同定するために、FLAG-Id2をHepG2細胞に過剰発現させ、インスリン存在・非存在での免疫沈降物をデファレンシャル・ディスプレイ法で解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インスリン投与による各組織でのId2 mRNAの発現量の解析を行うことができ、これまで報告されていない細胞周期関連因子が糖によって調整されることが示唆された。この因子がId2によって作用を拮抗されることが知られており、その関連を明らかにすることによりId2の糖代謝における役割が明らかに成る可能生がある。 Id2とインスリン依存性に結合するタンパクの検出を免疫沈降法で行っているが、差の検出が困難で、MALDI-TOFで解析した結果でも候補となるタンパクの同定には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
インスリン投与による肝および白色脂肪組織でのインスリンシグナル関連遺伝子の発現をId2ノックアウトマウスと野生型で比較、検討する。 インスリン依存性のId2結合タンパクの同定ができておらず、検出感度を上げる改善策を講じる。
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