2012 Fiscal Year Annual Research Report
ドッキングタンパク質の心筋・骨格筋特異的アイソフォームの心不全病態での役割
Project/Area Number |
24659391
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中岡 良和 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90393214)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Gab1 / ドッキングタンパク質 / neuregulin-1 / サルコメア / アイソフォーム |
Research Abstract |
研究代表者はレセプター型チロシンキナーゼのシグナル伝達で重要な役割を担う「Gabドッキングタンパク質」に着目して、心筋細胞特異的Gabタンパク質(Gab1/Gab2)二重欠損(DKO)マウスを作製して、このマウスが心臓組織内での内皮細胞から心筋細胞へ伝達される「neuregulin-1(NRG-1)/ErbBシグナル」と心筋細胞から内皮細胞へ伝達される「angiopoietin-1(Ang1)/Tie2シグナル」からなる双方向性のパラクラインシグナルネットワークに破綻を来して心不全を発症することを解明した(J. Clin. Invest. 117, 1771, 2007)。この研究過程で、Gab1には普遍的に発現するアイソフォーム(100kDa)に加えて、心筋・骨格筋で特異的に発現するアイソフォーム(120kDa)が存在することを見出した。今回、心筋・骨格筋でアイソフォームの遺伝子をクローン化することに成功し、これまで未報告の余剰エクソンが哺乳類で共通して存在することを解明した。この余剰エクソンは各臓器mRNAを用いたRT-PCR解析で、心臓、骨格筋でのみ発現しており、更にこのエクソンのアミノ酸配列の特異的抗体を作成したところ、実際にマウス胚E12.5日齢で心臓に特異的な発現を呈していた。 サルコメア特異的Gab1アイソフォームの機能解明のため、普遍型Gab1(Short isoform)とサルコメア特異的Gab1(Long isoform)をアデノウイルスベクターに組み込みラット新生仔培養心筋細胞で過剰発現させて、NRG-1で刺激してシグナル解析を行ったところ、Short isofromの過剰発現ではNRG-1刺激によるAKT活性化が抑圧されて、反対にLong isoformの過剰発現では同刺激によるAKT活性化はコントロールと同レベルに維持されていた。
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