2012 Fiscal Year Research-status Report
肺癌増殖における炎症反応の関与と新たなマーカー・治療法の開発
Project/Area Number |
24659407
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
水野 圭子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (50531414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 博雅 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30264039)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 肺癌 / IL-13 / microRNA / 炎症性サイトカイン |
Research Abstract |
本研究では、肺の気腫化や線維化の病態と密接に関連するサイトカインIL-13を中心とした免疫炎症反応が、肺癌の発生、転移・浸潤に関わっているのではないという発想を証明することを目的としている。 IL-13KOマウス、IL-13経気道投与マウスから肺を採取し、RNAを抽出してマイクロアレイでmicroRNA発現を解析した(in vivo)。また発現の変化が見られたmicroRNAに関しては、realtimePCRで定量を行った。さらに“マウス”線維芽細胞(MEF)/マウス培養気道上皮細胞株(TGMBE) /肺胞上皮細胞株を、IL-13で刺激し、RNAを抽出後にマイクロアレイでmicroRNA発現を解析した(in vitro)。同様に、“ヒト”肺由来の線維芽細胞/気道上皮細胞/肺胞上皮細胞/血管内皮細胞を培養し、IL-13で刺激後、RNAを抽出しマイクロアレイでmicroRNA発現を解析した。そのうち発現の変化したmicroRNAに関し、realtime PCRで定量した。 上記の結果から、定量的に発現の変化したmicroRNAを、miRandaおよびTargetScanアルゴリズムで、発現の変化したmicroRNAのターゲットを予測し、癌抑制性microRNAや発癌/癌増殖性microRNAの候補を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、IL-13で処理した肺構築細胞の培養上清を濃縮後、癌細胞株に投与し、その癌増殖効果を確認する予定であった。またSCID(severe combined immunodeficiency disease)マウス、IL-13 KOマウス、IL-13経気道投与マウス、IL-18の肺高発現マウス、IL-33経気道投与マウスを準備する予定であった。これらの過程まで進行しておらず、やや遅れていると評価する。現在、癌増殖に影響するmicroRNA候補の決定に難渋しており、遅延の原因と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
遅延している研究を推進する。癌増殖に影響するmicroRNAの選定を行い、IL-18の肺高発現マウスやIL-33経気道投与マウスでは、上記特定のmiRNAの発現変化を解析する。さらにこれらのモデルマウスに高転移性肺癌細胞(NCI-H460-LNM35)を移植し、腫瘍の増殖/転移の変化を比較する。最終的にはIL-13による癌抑制性microRNAの発現制御のメカニズムを明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度はさらに研究を推進するため、実験動物の購入や抗体などの薬品の購入に研究費が必要である。さらに成果を学会等で発表するための旅費にも用いる予定である。
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