2014 Fiscal Year Annual Research Report
尿バイオマーカーによるネフロン障害部位診断法の開発
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24659414
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤中 秀彦 新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 非常勤講師 (20447642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 格 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30092737)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遠位尿細管 / データベース / 尿プロテオーム / 免疫染色 / ウエスタンブロッティング / 間質尿細管傷害 / IgA腎症 / UUO |
Outline of Annual Research Achievements |
新たなバイオマーカーを、血漿に由来しない、かつネフロン発現部位が確定できたものの中から選定することを目的に検討を継続してきた。ヒト尿プロテオームデータベースに免疫染色(the Human Protein Atlas)と腎臓マイクロアレイの情報を組み合わせることにより、50個の近位尿細管由来蛋白質、14個の遠位尿細管由来蛋白質、10個以上の既知および未知の糸球体由来蛋白質、間質由来蛋白質をリストアップできた。尿細管由来蛋白質について、腎臓内遺伝子発現をRealtime PCRで検討した。ラットにUUOを作成、近位~遠位までの尿細管全般の傷害を起こし、反対側と比較した。14個の遠位尿細管蛋白質のうち遺伝子発現低下はCALB1でもっとも著明で、SLC12A1も低下していた。一方GSTM3, CAPG, ANXA3の遺伝子発現は増加していた。これらのうち、Ca結合蛋白質CALB1につき検討した。anti-GBM GNラットにおいて遠位尿細管傷害が進展するにつれて腎内発現低下が確認され、それと尿中排泄量低下が並行することが確認された。またこの時、尿Ca排泄増加も見られた。ヒトIgA腎症患者においても、傷害された遠位尿細管における発現低下が確認され、また患者における尿中排泄に低下の傾向が見られた。最終年度には、1)ANXA3についての検討、2)近位尿細管由来蛋白質、間質由来蛋白質についての検討を行った。1)ANXA3蛋白質の発現は間質浸潤細胞に見られ、ヒトIgA腎症患者数名の尿中に排泄増加が確認された。2)ラットUUOでは50個の近位尿細管蛋白質のうちFBLN5など7個の遺伝子発現が増加、ALDOBなど12個の遺伝子発現は低下していた。間質由来蛋白質ではCOL6A1の発現増加が確認された。COL6A1についてはanti-GBM GNラット初期の尿においてむしろ低下の傾向が見られた。
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Research Products
(3 results)