2012 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病性腎症の進展におけるポドサイトとメサンギウム細胞の相互作用の意義
Project/Area Number |
24659415
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岩野 正之 福井大学, 医学部, 教授 (20275324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 直生 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (30377460)
糟野 健司 福井大学, 医学部, 准教授 (60455243)
三上 大輔 福井大学, 医学部附属病院, 医員 (90464586)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | FSP1 / RAGE / ポドサイト / メサンギウム細胞 |
Research Abstract |
FSP1は、糖尿病性腎症の進展とともにポドサイトでの発現が亢進する。さらに、FSP1は分泌蛋白としての生物活性も有しており、受容体はAGE受容体(RAGE)であることが報告されている。そこで、われわれはFSP1-RAGE系を介するポドサイトとメサンギウム細胞の相互作用を検討する目的で、RAGE-/-マウスおよびRAGE+/+マウスの糸球体を単離後、培養メサンギウム細胞(MC)を樹立した。RAGE-/-MCおよびRAGE+/+MCにリコンビナントFSP1を添加後12時間にRNAを抽出し、DNAチップで、発現量の異なる因子を探索中である。 次に、糖尿病性腎症モデルを作製するのに適切なマウスバックグラウンドを検討する目的で、Balb/cマウスとC57BL/6マウスに、ストレプトゾトシン投与後に高脂肪食を摂取させる方法で、糖尿病性腎症の誘発を試みた。両方のバックともに、アルブミン尿の著明な増加が観察された。しかし、B6マウスでは糸球体硬化が出現したのに対し、Balb/cマウスでは糸球体障害が認められなかった。In vivo実験を開始する準備として、現在、Balb/cバックであるFSP1-/-マウスおよびFSP1 TGマウスをバッククロスにより、B6バックに変更中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
糖尿病性腎症の作製が、B6マウスでしか可能でないことが判明したため、すべての遺伝子改変マウスのバックをB6に変更中である。しかし、動物室でネズミ盲腸蟯虫が広がったため、実験の中断を余儀なくされている。クリーン化終了後、実験を再開する。
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Strategy for Future Research Activity |
統一されたバックグラウンドの遺伝子改変マウスを交配することで、RAGE+/+FSP1TG+, RAGE+/+FSP1TG-, RAGE+/+FSP1-/-, RAGE-/-FSPTG+, RAGE-/-FSP1TG-, RAGE-/-FSP1-/-の6種類の遺伝子改変マウスを作製する。この6種類の遺伝子改変マウスに実験的に糖尿病性腎症を誘導し、マウスの腎病変の半定量的解析、尿蛋白(蓄尿)、腎機能、および平成24年度に実施したin vitroの実験系で同定された、FSP1-RAGE系で発現が誘導あるいは抑制される因子の発現を免疫組織学で検討する。次に、凍結切片からlaser-capture microdissection (LCM)を用いてマウス糸球体を単離後、糸球体内における各因子mRNA発現量をreal-time PCR法で定量する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞培養実験のための消耗品購入に使用予定である。
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