2013 Fiscal Year Research-status Report
プリオン増殖阻害に関わるエピゲノム遺伝子制御の解明
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24659424
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堂浦 克美 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00263012)
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Keywords | 神経分子病態学 / プリオン / エピゲノム / 治療学 / 糖質 |
Research Abstract |
申請者は生体において不活性物質であるセルロース誘導体化合物の末梢体内への投与により、脳内プリオン増殖が抑制され、ほぼ一生涯にわたり発症が阻止されること、さらに投与マウスの仔マウスでも脳内プリオン増殖抑制が起こることを発見した。このプリオン増殖抑制機序には、マクロファージ系細胞に関連する液性因子群が働いている。申請者は、長期間かつ世代を超えるプリオン増殖阻止現象に、液性因子群によるエピジェンテックなクロマチン修飾が関与していると考えている。本申請研究では、セルロース誘導体化合物投与マウスおよび仔マウスのプリオン易障害性脳領域の染色体DNAのゲノムワイドなエピゲノム修飾を解析し、この仮説を調べる。 当該年度は、セルロース誘導体化合物をマウスに単回皮下投与後の2年間にわたり経時的に採取した脳組織と、セルロース誘導体化合物を単回皮下投与後に妊娠させ得られた仔マウスの生後経時的に採取した脳組織と、未投与の対照群の脳組織を用いて、高密度メチル化領域をメチル化DNA免疫沈降(MeDIP)法+プロモーターアレイで解析しメチル化マッピングを行った。また、同じ脳組織材料を用いて、各種の化学修飾特異的かつヒストンバリアント特異的な抗ヒストン抗体を用いてクロマチン免疫沈降(ChIP)法+プロモーターアレイ解析によるヒストン修飾マッピングを行った。さらに、同じ脳組織材料を用いてDNAマイクロアレイ解析で遺伝子発現プロファイリングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の計画と照らし合わせて、低密度メチル化領域の解析は予定通り終了し、高密度メチル化領域のマッピングならびにヒストン修飾マッピングは予定のほぼ7割を消化した。また、DNAマイクロアレイ解析による遺伝子発現プロファイリングは、予定通りに進行した。総合的には、ほぼ予定通りに研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
残っているメチル化マッピングならびにヒストン修飾マッピングをできるだけ早期に終了させ、DNAメチル化、ヒストン化学修飾そして遺伝子発現プロファイルを相互に照らし合わせて、数理的解析・バイオインフォーマティクス解析により有意な候補遺伝子を抽出する。候補遺伝子について、定量的PCRや塩基配列決定などにより確認・特定作業を行い、さらにタンパク質レベルでの発現を確認する。
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Research Products
(4 results)