2013 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞から分化誘導したアストロサイトを用いたアレキサンダー病の病態解明
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24659433
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中川 正法 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50198040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 誠克 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90457987)
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Keywords | 遺伝子 / 脳神経疾患 / 神経科学 / GFAP / iPS |
Research Abstract |
アレキサンダー病は臨床的には乳児期発症で大脳白質病変を主体とする重症な型から成人期発症で延髄・頚髄病変を主体とする比較的緩徐な進行を示す型まで多様な臨床病型を示す。これまでの申請者らの成果も含めて細胞実験やマウスモデル実験により、変異GFAPを主体とする異常凝集体がアストロサイトの機能、さらにはニューロン-アストロサイトの相互作用に影響を及ぼすアストロサイト病であることが明らかにされつつあるが、本病の多様な臨床病態を説明しうる研究はなされていない。本研究では近年改良・向上がみられているiPSCの技術を用いて、アレキサンダー病患者から得られた試料よりiPSCを樹立し、さらにアストロサイトに分化誘導することにより、臨床病型に応じたアストロサイトとアストロサイト-ニューロン相互作用を解析することを目的とした。 平成25年度は予備実験として、アストロサイトに分化した際に有用となる培養細胞レベルにおける変異GFAPの異常凝集体を同定評価する染色法を検討した。具体的には野生型ヒトGFAP, ヒト変異GFAP(R239C)遺伝子をそれぞれ導入した副腎皮質細胞腫瘍由来の細胞に対して、もっとも一般的な染色法であるGFAPとin vivoで報告のあるFluoro Jade B, 本病では報告はないが凝集体を染色するthioflavin, congo redを比較した。結果、従来のGFAP染色が最も凝集体の同定に有用であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
独立行政法人医薬基盤研究所「難病研究資源バンク」とMTAを締結し、試料の提供手続きを可能とした。しかし、平成25年度より同研究所に関してはiPS細胞関連から撤退せざるを得なくなったこと、単独施設での研究の推進は困難で「iPS細胞研究中核拠点」との連携に関してiPS細胞樹立に対して新たな連携を模索する必要とアストロサイトへの分化誘導の効率化(現在でも誘導に約半年が必要)から現在までの到達度としては当初計画よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
iPS細胞樹立に対して新たな連携施設を模索するとともに、ヒトiPS細胞からアストロサイトへの分化誘導が非常に困難である原因を比較的誘導が容易であるマウスモデルを用いて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
iPS細胞樹立が、当初予定より遅れが生じている。 来年度、ips細胞の樹立及び分化誘導、機能解析の為の物品費及び人件費、情報収集のための学会や研究会参加の為の旅費に使用する予定。
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[Journal Article] Effects of a polymorphism in the GFAP promoter on the age of onset and ambulatory disability in late-onset Alexander disease.2013
Author(s)
267 Yoshida T, Mizuta I, Saito K, Ohara R, Kurisaki H, Ohnari K, Riku Y, Hayashi Y, Suzuki H, Shii H, Fujiwara Y, Yonezu T, Nagaishi A, Nakagawa M.
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Journal Title
J Hum Genet
Volume: 58(9)
Pages: 635-638
DOI
Peer Reviewed
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