2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659439
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
片桐 秀樹 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00344664)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 2型糖尿病 / ゲノム / 疾患関連遺伝子 |
Research Abstract |
2型糖尿病の発症には遺伝的因子が大きく関わる。SNP解析でこれまで報告された2型糖尿病関連遺伝子の発症に寄与する割合は低く(オッズ比は高々1.4程度)、遺伝的素因を十分には説明できていない。我々はゲノムコピー数多型(CNV)に注目して検討を進め、第4染色体サブテロメア領域に、2型糖尿病に比較的高頻度に見いだされ、大きく発症に関連(オッズ比:14.7)するCNVを発見した。そこで本研究では、このCNV糖尿病ともいうべき疾患概念の提唱を目指して、CNVの2型糖尿病との関連やコピー数を簡便に解析する解析手法の開発にむけた研究を進めている。 まず、第4番染色体4p16.3サブテロメア領域のCNVが2型糖尿病と強い関連を持つことを見出した手法を応用し、ゲノムワイドにCNVと2型糖尿病との関連の検討を進めた。これにより、4p16.3以外の複数の領域でのCNVが2型糖尿病と関連を持つ現象を得つつある。さらに症例を増やして検討することを計画している。 次に、高密度カスタムオリゴヌクレオチドマイクロアレイを隠れマルコフモデルで解析するという極めて複雑な解析手法を用いるのではなく、簡便な第4番染色体4p16.3サブテロメア領域コピー数多型に対する簡便な判定法の開発を目指している。移動平均法での解析結果を反映するプローブをピックアップし、その配列情報に基づいてプライマーを設計し、これらのプライマーを用いて定量PCRを行う手法を検討したが、やはり、目的以外のPCR産物の混入などにより、解析に困難を極めた。現在、マスアレイを用いた定量を行うことで、安定したデータを得ることに成功しつつあり、検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2型糖尿病の発症には遺伝的因子が大きく関わる。SNP解析でこれまで報告された2型糖尿病関連遺伝子の発症に寄与する割合は低く(オッズ比は高々1.4程度)、遺伝的素因を十分には説明できていない。我々はゲノムコピー数多型(CNV)に注目して検討を進め、第4染色体サブテロメア領域に、2型糖尿病に比較的高頻度に見いだされ、大きく発症に関連(オッズ比:14.7)するCNVを発見した。そこで本研究では、このCNV糖尿病ともいうべき疾患概念の提唱を目指して、CNVの2型糖尿病との関連やコピー数を簡便に解析する解析手法の開発にむけた研究を進めている。 まず、第4番染色体4p16.3サブテロメア領域のCNVが2型糖尿病と強い関連を持つことを見出した手法を応用し、ゲノムワイドにCNVと2型糖尿病との関連の検討を進めた。これにより、4p16.3以外の複数の領域でのCNVが2型糖尿病と関連を持つ結果を得つつあり、計画通りの順調な進捗と考えられる。 次に、高密度カスタムオリゴヌクレオチドマイクロアレイを隠れマルコフモデルで解析するという極めて複雑な解析手法を用いるのではなく、簡便な第4番染色体4p16.3サブテロメア領域コピー数多型に対する簡便な判定法の開発を目指している。移動平均法での解析結果を反映するプローブをピックアップし、その配列情報に基づいてプライマーを設計し、これらのプライマーを用いて定量PCRを行う手法を検討したが、やはり、目的以外のPCR産物の混入などにより、解析に困難を極めた。現在、マスアレイを用いた定量を行うことで、安定したデータを得ることに成功しつつある。大きな打開策が見出された段階であり、この点も順調と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
第4番染色体4p16.3サブテロメア領域以外のCNVと2型糖尿病発症との関連の検討 については、さらに解析症例を増やし、現在見出されつつある領域に絞って解析を行う。これにより、それぞれの領域におけるCNVの頻度やその多型の種類、糖尿病発症との関連について詳細に検討することを計画している。 次に、第4番染色体4p16.3サブテロメア領域コピー数多型に対する簡便な判定法の開発として、マスアレイを用いることにより、簡便かつ詳細なCNV解析が行えることとなった。これについても、症例を増やすとともに、患者の家族内解析を進め、CNVの種類と家系内糖尿病の有無との関連を詳細に検討することを計画している。 第4番染色体4p16.3領域におけるコピー数の減少を認めた13名の2型糖尿病患者は、いずれも両親のいずれかが糖尿病で、家族歴が濃厚である。そこで、糖尿病・非糖尿病を問わず、承諾を得られた第三度以内の近親者から採血し、末梢白血球からDNAを採取し、高密度カスタムオリゴヌクレオチドマイクロアレイや新たな簡便解析手法を用いて、CNVの有無とその範囲を特定する。本解析を行うことにより、このCNVが遺伝するものであるのか、その場合の遺伝形式はどのようなものであるか、コピー数変化の起こる範囲は保存されているのか、を検討することを計画している。 これらの解析を通じ、CNV糖尿病とでもいうべき新たな糖尿病の疾患概念の構築につなげることを目指した研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] Blockade of the Nuclear Factor-κB Pathway in the Endothelium Prevents Insulin Resistance and Prolongs Life Spans.2012
Author(s)
Hasegawa Y, Saito T, Ogihara T, Ishigaki Y, Yamada T, Imai J, Uno K, Gao J, Kaneko K, Shimosawa T, Asano T, Fujita T, Oka Y, Katagiri H.
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Journal Title
Circulation
Volume: 125
Pages: 1122-1133
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Brain-derived neurotrophic factor protects against cardiac dysfunction after myocardial infarction via a central nervous system-medeiated pathway2012
Author(s)
Okada S, Yokoyama M, Toko H, Tateno K, Moriya J, Shimizu I, Nojima A, Ito T, Yoshida Y, Kobayashi Y, Katagiri H, Minamino T, Komuro I.
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Journal Title
Arterioscler Thromb Vasc Biol
Volume: 32(8)
Pages: 1902-1909
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Importance of endothelial NF-B signaling in vascular remodeling and aortic aneurysm formation.2012
Author(s)
Saito T, Hasegawa Y, Ishigaki Y, Yamada T, Gao J, Imai J, Uno K, Kaneko K, Ogihara T, Shimosawa T, Asano T, Fujita T, Oka Y, Katagiri H.
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Journal Title
Cardiovascular Research
Volume: 97(1)
Pages: 106-114
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Hepatic glucokinase modulates obesity predisposition by regulating BAT thermogenesis via neural signals.2012
Author(s)
Tsukita S, Yamada T, Uno K, Takahashi K, Kaneko K, Ishigaki Y, Imai J, Hasegawa Y, Sawada S, Ishihara H, Oka Y, Katagiri H.
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Journal Title
Cell Metab
Volume: 16(6)
Pages: 825-832
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Chronic mild stress alters circadian expressions of molecular clock genes in the liver.2012
Author(s)
Takahashi K, Yamada T, Tsukita S, Kaneko K, Shirai Y, Munakata Y, Ishigaki Y, Imai J, Uno K, Hasegawa Y, Sawada S, Oka Y, Katagiri H
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Journal Title
Am J Physiol Endocrinol Metab
Volume: 304(3)
Pages: E301-309
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Bach1 deficiency protects pancreatic beta cells from oxidative stress injury2012
Author(s)
Keiichi Kondo, Y. Ishigaki, J. Gao, T. Yamada, J. Imai, S. Sawada, A. Muto, Y. Oka, K. Igarashi, H. Katagiri
Organizer
48th European Association for the Study of Diabetes Annual Meeting
Place of Presentation
Berlin,Germany
Year and Date
20121001-20121005
Invited
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