2013 Fiscal Year Annual Research Report
横紋筋融解症の原因としてのスタチンと筋肉内コレステロール欠乏の違い
Project/Area Number |
24659440
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中川 嘉 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80361351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松坂 賢 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70400679)
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Keywords | 脂質代謝 |
Research Abstract |
高コレステロール血症の治療薬であるスタチンはコレステロール合成系律速酵素であるHMGCRの阻害剤である。スタチンは全世界で使われるコレステロールを低下させる有効な治療薬である。しかしながら、スタチンは副作用として横紋筋融解症を発症させる。横紋筋融解症の発症はスタチンが筋肉に作用した結果であるか、肝臓に作用した結果生じる2次的な効果であるかを明らかにすることを目的に解析を行った。スタチンによる横紋筋融解症のメカニズムを明らかにするため、スタチンの標的遺伝子であるHMGCRを骨格筋特異的にノックアウトしたマウスを作製した。このマウスは筋肉でコレステロールができないマウスである。このマウスの筋肉では横紋筋融解症でみられる組織的変化が生じていた。筋肉は障害されると再生する機能を有しており、このマウスでは細胞死の形態と細胞の再生の形態が混在しており、頻繁に細胞死、細胞の再生が起こっていることが明らかとなった。この原因の一つとして、オートファジーの誘導がこのマウスでは観察された。また、ミトコンドリの機能異常もあった。つまり、異常機能のミトコンドリアがオートファジーにより除去されず、細胞へストレスがかかったため、細胞死が生じていると推察している。今後はコレステロール欠乏がミトコンドリア異常、オートファジー異常が生じたかを明らかにしていく。
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Research Products
(2 results)