2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規消化管ホルモンIBCAPを標的とした膵β細胞再生医療への応用
Project/Area Number |
24659453
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
横尾 友隆 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (80400688)
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Keywords | 糖尿病 |
Research Abstract |
現在世界中で急増している糖尿病は、膵β細胞の機能または細胞数の不足によって引き起こされる。我々が独自に同定した新規消化管ホルモンIBCAP (Intestine-derived Beta-Cell Augmenting Promoter) は機能として膵臓β細胞増殖促進などインクレチン様作用を持つことをこれまでに明らかにしてきた。そのため、IBCAPは糖尿病の治療標的となり得る可能性が考えられ、遺伝子治療、膵臓再生医療への応用も含め、特に1型糖尿病の治療薬になり得る可能性があり期待される。そこで本研究では、このIBCAPによる膵β細胞増殖および分化に関わるメカニズムを解明し、将来の臨床応用へ向けIBCAPを基盤とした膵β細胞再生医療への応用を目指すことを目的とした。 IBCAPの活性は、切断を受けてできるペプチドが活性体である可能性が示唆されていることから、活性体ペプチドの1次構造の決定を目指し、IBCAP強制発現細胞培養上清からの精製、LC-MS/MS解析を行った。その結果、活性体候補ペプチドの1次構造を決定した。 この活性体合成ペプチドによる膵β細胞増殖について検討を行ったところ、MIN6細胞に対して増殖刺刺激活性を持つことが明らかとなった。 さらに、ヒトiPS細胞から膵β細胞へ既報の方法で分化誘導を行ったところ、IBCAP活性体合成ペプチドを加えることで、インスリン陽性細胞への誘導効率が劇的に上昇する可能性が示唆された。分化誘導において、このペプチドの添加タイミング等、どのように用いればさらなる効率化につながるか、さらに、これが本当に機能的なβ細胞か否かについては今後の検討が必要である。
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Research Products
(5 results)