2012 Fiscal Year Research-status Report
抗好中球細胞質抗体関連血管炎のNETs形成を標的とする新規治療法の開発
Project/Area Number |
24659472
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
針谷 正祥 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 寄附講座教授 (20238207)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南木 敏宏 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 寄附講座准教授 (00282749)
宮坂 信之 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30157622)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 自然免疫 |
Research Abstract |
本研究では、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎の病態形成への好中球のneutrophil extracellular traps (NETs)形成とnetosisの関与、および治療応用の可能性を検討する。平成24年度は以下の実験を行った。1.末梢血好中球およびmyeloperoxidase (MPO)-ANCA陽性IgGを用いたNETs形成能検討:1)好中球のNETs形成能の検討.PMAで好中球を4時間刺激することによって、in vitroでのNETs形成が確認された。健常人好中球をC5aでプライミング後、MPO-ANCA陽性患者IgG、健常人IgGで刺激し、NETs形成好中球の割合を測定した。C5a+MPO-ANCA陽性IgG刺激によってNETs形成が誘導されたが、一部の健常人IgGでもNETsの誘導が認められ、実験条件の調整が必要と考えられた。2)ANCA関連血管炎動物モデルの作成.リコンビナントマウスMPOで家兎を免疫し、高力価の抗マウスMPO血清を作成した。採取した血清からIgG分画を精製した。抗マウスMPO抗体とCandida albicans water-soluble fraction (CAWS)をC57BL6マウスにday 0およびday 5に投与し、day 10に肺および腎臓を摘出し組織切片を作成した。明らかな血管炎の発症は認められなかった。3)ANCA関連血管炎患者の血清中のサイトカイン測定.マルチプレックスサスペンションアレイを用いて12種類の血清中サイトカインを同時測定した。次年度に臨床的特徴との関連性を解析する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
NETsの誘導実験については、実験条件の詳細を詰める必要があるものの、おおむね計画通りに進行している。In vivo実験については既報に基づいて血管炎モデルマウスの作成を試みたが、平成24年度中には血管炎を誘導できなかった。使用するCAWSの投与量、IgGの投与量などの条件設定が必要と考えられる。また、既報との大きな違いは家兎で作成した抗マウスMPO抗体を使用している点であり、MPOノックアウトマウスで作成した抗マウスMPO抗体を入手して、比較する必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は以下の実験を進める。1. 好中球の亜分画として脾臓のmarginal zoneにB helper neutrophil (NBH)が報告された。末梢血中の好中球をIL-10で培養することによってNBHを誘導でき(iNBH)、NBHはNETs形成能が亢進している。申請者によるpreliminaryな検討でもヒト末梢血からのiNBH誘導が確認できており、本年度はiNBHを用いてNETs形成能を検討する。またiNBHとB細胞の相互作用をin vitroで検討する。2. 血管炎動物モデルを確立し、抗C5a阻害薬の薬効を検討する。動物モデルを確立するために、他の抗マウスMPO抗体を作成または入手して、実験を行う。3. ANCA関連血管炎患者の血清中のサイトカイン測定結果と臨床データの関連解析を行うと共に、追加のサイトカイン、ケモカイン等の測定をマルチプレックスサスペンションアレイを用いて実施する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の研究の推進方策に基づき、培養関連ディスポーザブル製品、細胞培養用試薬、遺伝子発現解析用試薬、動物実験用試薬等の消耗品、実験用動物の購入などに、研究計画書に基づいて研究費を使用する。
|