2014 Fiscal Year Annual Research Report
新化合物ジクロロアセチルカルニチンの虚血後再灌流臓器障害抑制効果の検討
Project/Area Number |
24659501
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
糸井 利幸 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10264780)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
問山 健太郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00433285) [Withdrawn]
岡 達二郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80433283)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 再灌流障害 / ジクロル酢酸 / カルニチン / 新化合物 / 心筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】ブドウ糖酸化亢進作用を有するDicholoroacetate(DCA)は心筋虚血後再灌流障害や肺高血圧を抑制することが知られている。脂肪酸酸化に必須のacetyl-l-carnitineは細胞膜の脂質過酸化抑制作用と有する。本研究はそれぞれの薬理作用を同時に発揮することが期待されるcarnitine誘導体化合物を新たに合成性し、抗酸化作用を有する臓器保護薬としての可能性を検討することであった。acetyl-l-carnitineから誘導された新規化合物の合成にに成功したが、容易に加水分解する極めて不安定な化合物であった。そこで、生物学的等価置換基を導入した新たな化合物をいくつか作成し、安定性と薬理効果について検討を進めた。H25~H26に薬理学的活性自体を変化させずに安定した化合物①の作成に成功し、さらに薬理学的に強化した新化合物②の作成に成功した。 ラット孤立灌流心を用いた再灌流障害の抑制効果は、通常の実験で採用される虚血時間の1.5~2倍の40分という長時間の完全虚血後で、対象は14±6%の回復率で、DCA,acetyl-l-carnitine単体各1mM投与での回復率はそれぞれ、31±36%、40±46%であったのに対し、化合物②1mM投与により73±38% (n=6)の極めて有意な回復率を達成した(p=0.029)。化合物②50mg/kgの腹腔内投与後5日間は全く問題なく急性毒性は認めなかった。acetyl-l-carnitine誘導化合物は再灌流臓器障害抑制薬としての有効性が示唆された。 尚、当該年度内に合成した全ての化合物について特許出願を終了したが、現時点で未審査状態であるため、新化合物①、②の構造については秘匿する。
|
Research Products
(1 results)