2014 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内感染症に起因する脳室周囲白質軟化症・肺損傷に対する間葉系幹細胞治療法の開発
Project/Area Number |
24659507
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
滝 敦子 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (20614481)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 脳室周囲白質軟化症 / 子宮内感染合併症 |
Outline of Annual Research Achievements |
早産の合併症である脳室周囲白質軟化症は、小児期に運動障害を主体とした脳性麻痺に陥る重大な合併症であるが、現在有効な治療がなく、またその成因も明らかにはなっていない。私たちは実験的子宮内感染症モデルを用いて、子宮内感染症に起因する脳室周囲白質軟化症における内在性幹細胞の障害と疾患成立への関与を検討し、間葉系幹細胞を用いた新たな治療法を開発した。まず、日齢4の新生仔ラットはヒトの妊娠28週前後に相当することを利用し、日齢4のラットにLPS15mg/kgを腹腔内投与し新生児白質損傷モデルを作成した。さらに日齢4に臍帯由来MSC、4、5、6、7に臍帯由来MSCの培養上清を腹腔内投与し、日齢6、12の脳を採取し評価した。動物は研究に最小限の匹数を用い、飼育保管基準をふまえて管理を行い、麻酔により最小の苦痛となるように配慮して行った。LPS投与により日齢6の新生仔脳における炎症性サイトカインの上昇、日齢12における脳室周囲白質量の低下を確認した。MSC投与により日齢12の脳白質量の改善を認め、またMSCやMSC培養上清投与により、炎症性サイトカインは減少した。今回の実験でのMSCが抗炎症作用を有し、白質損傷を防ぐことが示され、感染に起因する脳室周囲白質損傷に対して、出生後のMSCの投与が有効である可能性が示された。今後MSCの脳内到達度を確認し、MSCの効果機序として、MSCが分泌する成分などの解析も行っていきたい。またオリゴデンドロサイト前駆細胞の数や細胞死数、マイクログリア数、グルタミン酸濃度などを検討したい。
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Research Products
(4 results)