2012 Fiscal Year Annual Research Report
Coiled-coilドメイン阻害に伴う17型コラーゲン切断亢進メカニズムの解明
Project/Area Number |
24659514
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西江 渉 北海道大学, 大学病院, 講師 (20443955)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 皮膚生理学 |
Research Abstract |
Coiled-coilは、タンパク質同士の結合に重要な、7アミノ酸ごとの繰り返し配列である。17型コラーゲンには、細胞膜近傍のNC16A領域に強力なCoiled-coil領域が存在するが、NC16A領域は、自己免疫性水疱症である水疱性類天疱瘡の主要な抗原エピトープであり、同領域内で細胞外領域が切断を受けるなど重要なドメインである。しかし、17型コラーゲンにおけるCoiled-coilの生理機能は未だ不明であった。本研究の目的は、NC16Aドメイン内のCoiled-coilの生理機能を解明することであり、NC16A領域内のCoiled-coil領域のロイシンジッパー部に位置するロイシンをプロリンへ置換した変異COL17を作製した。変異17型では細胞外領域の切断が著明に亢進したが、これは非生理的な切断部位であるFurin認識部位で生じることが明らかになった。通常、生理的に17型コラーゲンは細胞膜においてADAMファミリーによって切断を受けるが、Coiled-coilを阻害した変異COL17の切断はADAMの阻害剤では抑制されず、セリンプロテアーゼにより抑制された。更に詳細に特異的な酵素阻害剤とタンパク輸送阻害剤等を用い検討したところ、変異17型コラーゲンは、細胞膜へ輸送される前に、Furinによりゴルジで切断を受けることが明らかになった。従って、17型コラーゲンのNC16A領域に存在するCoiled-coilには3本鎖形成に重要な役割を担う機能に加え、正しく17型コラーゲンが構築されたか監視する新たな生理機能が存在することが明らかになった。
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Research Products
(4 results)