2012 Fiscal Year Research-status Report
表皮特異的転写因子からのアプローチによる誘導性表皮幹細胞(iES細胞)の樹立
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24659519
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石井 良征 筑波大学, 医学医療系, 講師 (90455931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川内 康弘 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00272196)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ケラチノサイト / 角化 / 転写因子 |
Research Abstract |
平成24年度は、カルシウムスイッチによるケラチノサイト分化によって発現が激減する転写因子遺伝子群をスクリーニングする計画である。このことにより、基底層特異的に発現する遺伝子を同定でき、基底層特異的発現を示す遺伝子は、ケラチノサイトの分化を抑制し未分化な状態に維持する機能をもつ可能性が高い。本年度はさらに、スクリーニングした遺伝子をDNA解析ソフトにより解析し、転写因子であるものを選び出して発現ベクターにサブクローニングした。このようにしてクローニングした各転写因子を三次元培養系に遺伝子導入し、表皮形成の変化を解析することにより当該転写因子の表皮分化(角化)における役割を明らかするよう試みた。具体的には、①正常ケラチノサイトを低カルシウム培地(0.05 mM Ca2+)で培養し、カルシウム・スイッチ(0.05 mM Ca2+→ 0.12 mM Ca2+)によりin vitroで分化させた。②分化前後で未分化ケラチノサイト、分化ケラチノサイトのそれぞれからmRNAを抽出し、未分化・分化ケラチノサイト由来のmRNAをもとにしてWhole human genomeをカバーするマイクロアレイ解析を行った。その結果、カルシウムスイッチ後発現が10分の1以下に激減する既知の転写因子16種類と機能が未知の転写因子10種類が同定された。現在これらの転写因子cDNAを、ひとつひとつリバースPCR法によりケラチノサイトcDNAプールよりクローニングし、発現ベクターに組み込む作業を行っている。今後は、発現ベクターに組み込んだ表皮基底層特異的発現を示す転写因子群を様々な組み合わせで、皮膚線維芽細胞由来のiPS細胞に遺伝子導入し、ケラチノサイト誘導培養系で培養し、ケラチノサイトに分化する転写因子の組み合わせを探索していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基底細胞特異的発現を示す転写因子のスクリーニングは順調に進展したが、PCRによるクローニングがうまくはいらず、試行錯誤に時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、同定した転写因子群を様々な組み合わせで、iPS細胞に遺伝子導入し、ケラチノサイト特異的誘導培養系で培養し、ケラチノサイトに分化する転写因子の組み合わせを探索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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Research Products
(2 results)