2013 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイムfMRIを用いたバイオフィードバックによる社会認知機能改善プログラム
Project/Area Number |
24659546
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
松田 哲也 玉川大学, 脳科学研究所, 准教授 (30384720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 善朗 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20213663)
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Keywords | ニューロフィードバック / 精神科リハビリテーション / リアルタイムfMRI |
Research Abstract |
本研究は、感情・社会認知機能の障害が中核とされる高機能自閉症・アスペルガーを対象に、リアルタイムfMRIによるバイオフィードバック法を用い、社会性・感情機能に関連する脳局所脳活動の改善をすることで、感情機能や社会認知機能の改善・回復を目指し、その有用性を調べ、臨床応用の可能性について検討することを目的とする。アスペルガーの方に、扁桃体の脳活動をリアルタイムfMRIを用いてモニターしニューロフィードバックを行うことで、扁桃体の脳活動の改善を試みた。その結果、感情を惹起する刺激を呈示しなくても、アスペルガーの方も自身の扁桃体の脳活動を上昇させることが可能であることが確認された。また、トレーニングを行う前の感情を惹起する刺激に対する扁桃体の活動とトレーニングを行った後の同様の刺激に対する扁桃体の活動を比較すると、ニューロフィードバックトレーニング後のほうが、扁桃体の活動が上昇していることが、確認された。これらの結果から、アスペルガーの方でもニューロフィードバックのトレーニングにより、扁桃体の活性化を引き起こすことができることを確認した。さらに、ニューロフィードバックのトレーニングにより、扁桃体の脳活動を上昇させることができる場合には、扁桃体とその関連領域が相関をもって活動することが確認された。 これらの結果から、アスペルガーもニューロフィードバックによるトレーニングにより扁桃体の活動を活性化することができることが確認された。また実験後の被験者からのインタビューでは、日常生活の中でつらい時があったときに、このトレーニングのことを思い出して自身で試してみることで、「気分を落ちつかせることができた」、という報告もあったことから、今後このようなトレーニング法は精神科のリハビリテーションにも十分応用できる可能性があることが示唆された。
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