2012 Fiscal Year Research-status Report
ロボット技術を用いた新たな向精神薬in vivoスクリーニング系の開発
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24659547
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高西 淳夫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50179462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 重信 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10162629)
石 青 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (80571330)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 精神疾患モデル動物 / ロボット / 向精神薬 |
Research Abstract |
本研究は,申請者らが開発した精神疾患モデル動物作成技術をベースに,ロボット技術と工学的数値解析技術を融合させた新たな向精神薬のin vivoスクリーニング系の開発を目的としている.申請者らが開発した精神疾患モデル動物製作手法では,幼若期と成熟後の2度にわたってロボットを用いてストレスを暴露することで,極度に低い活動性を示すラットを作成することが可能である.ストレスによって精神疾患モデル動物を作成する手法は既にいくつか提案されているが,申請者らが開発した手法では,ラットはロボットという明確な対象からストレスを受けるため,ヒトが社会的ストレスによって精神疾患を発症するモデルとして妥当であると考えている. 平成24年度は,三環系抗うつ薬(TCA)の1種であるイミプラミン,ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)の1種であるミルタザピンを投与した際の精神疾患モデル動物の行動の変化を,工学的数値解析技術を用いて解析した.具体的には,因子分析,クラスター分析,判別分析を適用して,設定された実験条件とそれに起因して生じる結果のモデル化を試みた.また,実験結果のユークリッド空間への投射を行い,各解析の結果と比較した.これにより,クラスター分析が向精神薬の効果の判定に有効であることが示唆された.また,解析の結果,ストレス曝露や向精神薬の効果が発現しにくいラットがいることが示唆され,それは幼若個体よりも成熟個体に多く見られることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究により,申請者らが提案する手法の有効性が示唆された.また,提案書に記載していた方法だけでなく,クラスター分析や判別分析などの数値解析法の利用は本研究をより発展させうるとの知見を得た.これは平成25年度以降の研究を実施する上で,極めて重要である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に行った実験の結果にもとづき,各向精神薬の効果を多次元ユークリッド空間上での各個体の変化ベクトルとして解析する.まず,ベクトルを大きさと向きに分割し,同一条件の個体間で大きさと向きの分散を調査する.向きに関する分散が小さければ,その向精神薬の効果の性質は個体によらず一様と考えることができ,分散が大きければ,効果の性質が個体ごとに異なると言える.例えば,向きの分散が大きい抗うつ薬は,個体によっては抗うつとは異なる作用が生じる可能性を示唆することになり,向きの分散が小さい場合は,程度の差はあれどもいずれの個体に対しても抗うつ作用を持つことになる.さらに,回帰直線からの距離と効果ベクトルの関係についても調査する.向精神薬を投与されていない状態で,回帰直線から一定以上の距離にある個体で効果ベクトルが著しく小さくなるような傾向が確認されれば,その個体を難治性うつのモデルとみなすことができる.これは工学におけるポテンシャル場の考え方でモデル化が可能であると考えている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は,実験のためのラットおよび飼料の調達に研究費を使用する.加えて,実験装置の改良や保守も実施する予定である.平成25年度は最終年度に相当するため,成果発表や成果の展開のための出張も計画している.
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