2013 Fiscal Year Annual Research Report
中枢5-HT細胞における転写因子Pet-1の標的遺伝子・共役転写因子の網羅的探索
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24659548
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
松井 宏晃 聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90181685)
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Keywords | セロトニン神経系 / 転写因子 / 遺伝子発現 / クロマチン沈降法 / 神経特異的抑制因子 |
Research Abstract |
RN46A細胞では、マウスTph2-863/-712 (ChIP同定Pet-1結合部位を含む)に相同な、ラットTph2-835/-682へのPet-1結合を、ChIP-精製DNAを鋳型に用いたReal-Time PCR法で確認できなかった。ヒトTPH2のPet-1結合部位を、-1648/-1643、-1019/-1014、-1010/-1005に同定した。Pet-1部位に結合し標的遺伝子転写を促進する人工転写因子VP64 (transactivator domain)-Pet-1を作成した。同様に構築したVP64-NRSF (zinc finger domain)の過剰発現がヒトTPH2 promoter活性を増加させたことから、VP64連結人工転写因子がRN46A細胞内で機能することを確認した。しかし、VP64-Pet-1過剰発現はTPH2 promoter活性を増加させなかった。副次的研究では、Pet-1機能促進因子としてLmx1b、Sp1、AP-2を同定し、新規Nrsf活性抑制法の検討から、Nrsf deubiquitylation亢進がNrsf高レベルの主因であることが解った。2年間の研究を総括すると、RN46A細胞では、(1)機能的NRSEを有するTph2やHtr1aへのPet-1結合阻害にNrsfが関与すること、(2)機能的NRSEを欠く5-HT系遺伝子へのPet-1結合が、ChIP同定できない場合もあり、Nrsf以外の抑制性因子もPet-1結合阻害に関与すること、(3)Pet-1過剰発現条件下でもChIP同定が困難な標的遺伝子があることを示唆する。従って、当初の予想に反してRN46A細胞内環境の独自性が、Pet-1標的遺伝子のChIP同定を困難化しており、この克服がRN46A細胞の有用性確認・成体マウスでの研究結果との適正比較に必要である。
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