2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659563
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
板坂 聡 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90378654)
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Keywords | 放射線治療 / 腫瘍内低酸素 / 定位放射線治療 |
Research Abstract |
本研究ではマウス腫瘍モデルを用い1回大線量の放射線治療後の腫瘍内低酸素の変化、HIF-1活性の変化、血管構築の変化を経時的に評価し、抗腫瘍効果との関連をみる。それと同時に正常組織への大線量照射の影響も評価し、治療の最適化および治療効果を増強するHIF-1阻害剤などの薬剤についても検討する。マウスにHIF-1応答性のルシフェラーゼ遺伝子を導入したH441 を皮下移植し放射線照射後のHIF-1の経時的な変化を光イメージングで観察し、治療効果が最大となる2回目の照射スケジュールの検討を前年に引き続き行っている。また、HIF-1、pimonidazole の陽性領域と血管の位置関係と照射スケジュールの関係について免疫染色での検討を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
HIF-1応答性のルシフェラーゼ遺伝子を導入したヒト肺がん細胞H441 をヌードマウスに皮下移植した腫瘍モデルを用い、移植腫瘍への局所放射線照射にて治療効果が最大となる2回目の照射スケジュールのタイミングを検討すると同時に、HIF-1、pimonidazole の陽性領域と血管の位置関係と照射スケジュールの関係もあわせて免疫染色での検討しているため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
放射線治療スケジュールの最適化と同時に皮下腫瘍組織の免疫染色からHIF-1、pimonidazole の陽性領域と血管の位置関係と照射スケジュールの関係を明らかにする。また、VEGF、糖代謝や腫瘍の悪性化に関わるGlut-1、TGF-βなどのHIF-1下流の因子の検討を行い、放射線治療の効果を増強する新たな治療標的の候補の検索を引き続き行う。また複数の種類の腫瘍細胞にて放射線治療スケジュールの最適化を行うことで、HIF-1活性と最適な放射線治療スケジュールの関連について検討する。 肺がんの肺同所移植モデルに対し、肺の局所照射後の、抗腫瘍効果および正常肺組織の障害について組織学的検討を行う。HIF-1阻害剤の治療効果と肺障害への影響を検討し、放射線肺炎のリスクを抑えた肺癌の定位放射線治療法の開発を行う。また、臨床での使用が始まっている血管新生阻害剤、上皮細胞増殖因子(EGF)阻害剤、および今後の臨床応用が期待されるHIF-1阻害剤などの分子標的薬と1回大線量の放射線治療との併用について、治療効果と正常組織の障害の両面の評価を行い、臨床応用への発展も考慮した検討を継続する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験が当初より遅れているため、次年度使用額が生じた。 動物実験の前年度分を繰り越して行う予定であり、それに伴いマウスの購入、維持、腫瘍細胞培養のための消耗品、および免疫染色に必要な抗体、試薬の購入に伴う費用を、当初より増額して研究を行う。
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Research Products
(1 results)