• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

タウオパチーの超早期診断のためのGSKー3β標的核医学イメージングプローブの開発

Research Project

Project/Area Number 24659564
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

佐治 英郎  京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40115853)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywordsタウオパチー / GSK-3β / 診断 / 認知症
Research Abstract

本研究の目的は、アルツハイマー病をはじめとするタウオパチーにおいて、タウ凝集体の沈着よりも前段階にあり疾患根幹的過程であるタウタンパク質のリン酸化を制御する酵素、グリコーゲンシンテースキナーゼ3β (GSK-3β)が増加することに着目して、GSK-3βを標的とするタウオパチーの超早期・予防診断のための新規PET/SPECT用核医学分子プローブを開発することにある。このようなタウオパチーの超早期過程の鍵となる分子を標的とする分子プローブは、現在開発が進んでいる、沈着したタウやアミロイド凝集体に結合する核医学分子プローブよりも根幹的、早期の段階を標的とする、従来にない全く新しいカテゴリーのものであり、アルツハイマー病などのタウオパチー発症前の超早期診断を可能にすることが期待される。さらに、開発された分子プローブはタウオパチーの発症過程の病態解明や治療薬開発研究のバイオマーカーとして利用できることから、本研究の成果は意義深いものとなる。
今年度は、GSK-3βへの高い結合性が報告されている、GSK-3β阻害剤であるマレイミドを母核とした化合物1を設計・合成し、GSK-3βプローブとしての基礎的評価を行った。化合物1の合成は、5-ブロモインドールと3-ベンゾフラノンを出発原料とする7段階の反応を経て目的物を得た。化合物1のI-125標識は、スズ-ヨウ素交換反応により行い、放射化学的収率30%、放射化学的収率99%以上で得た。正常マウスを用いた体内放射能分布実験を行ったところ、[125I]化合物1は、投与10分後に1.68%ID/gの放射能が脳に移行し、その後経時的なクリアランスを示した。現在、化合物1のGSK-3βへの結合性を評価するためのアッセイ系の構築を行っているところである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、タウオパチー脳内に過剰出現するGSK-3βに特異的・選択的に結合する核医学イメージングプローブを設計・開発し、それを用いてGSK-3βを体外から非侵襲的に定量する核医学イメージング法を構築する。マレイミド誘導体などのタウ凝集阻害剤を基盤とした理論的プローブ設計を行い、GSK-3βを用いたインビトロ結合実験、病態モデルマウスおよびアルツハイマー病剖検脳組織切片を利用するインビトロスクリーニング、動物での体内分布実験、オートラジオグラフィ、PET/SPECTイメージングなどのインビボスクリーニングを経て、GSK-3βに特異的・選択的に結合するPET/SPECT用分子プローブを見出す予定である。これまでに、マレイミド誘導体の合成と正常マウス体内放射能分布実験を行い、インビトロ結合評価実験の構築の目処が立ったことから、おおむね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

(1) GSK-3βを用いたインビトロ結合実験
合成した種々の化合物に関して、GSK-3βを用いたインビトロ結合実験を行い、GSK-3βに対する結合親和性を検討する。解離定数(Kd)を算出し、脳内GSK-3βのイメージングに十分な結合性を有していると考えられるKdが10 nM以下の化合物の選出を行う。Kd値が10 nM以下の化合物に関しては、(2)の脳組織切片を用いたインビトロ結合実験に供する。
(2) 病態モデルマウスおよびアルツハイマー病患者脳組織切片を用いたインビトロ結合実験
(1)の検討において、Kd値が10 nM以下の化合物に関しては、病態モデルマウスおよびアルツハイマー病患者脳組織切片を用いたインビトロ結合実験を行う。病態モデルマウスには、タウタンパク質を過剰発現させたトランスジェニック(Tg)マウスを使用する。また、Tgマウスから作製した脳切片および患者脳組織切片を用いて、18Fあるいは125I標識プローブによるオートラジオグラフィおよび抗GSK-3β抗体による免疫染色実験を行うことにより、プローブのGSK-3βへの結合性を評価する。同時に、野生型マウスおよび健常人脳組織切片を用いて同様の実験を行い、比較検討を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] Molecular Approaches to the Treatment, Prophylaxis, and Diagnosis of Alzheimer’s Disease: Novel PET/SPECT imaging probes for diagnosis of Alzheimer’s disease.2012

    • Author(s)
      Ono M, Saji H
    • Journal Title

      Journal of Pharmacological Science

      Volume: 118 Pages: 338-344

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 18F-Labeled phenyldiazenyl benzothiazole for in vivo imaging of neurofibrillary tangles in Alzheimer’s disease brains.2012

    • Author(s)
      Matsumura K, Ono M, Kimura H, Ueda M, Nakamoto Y, Togashi K, Okamoto Y, Ihara M, Takahashi R, Saji H.
    • Journal Title

      ACS Medicinal Chemistry Letter

      Volume: 3 Pages: 58-62

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi