2014 Fiscal Year Annual Research Report
複合型幹細胞シートを用いた放射線肺炎・線維症の治療
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24659572
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
玉井 好史 東海大学, 医学部, 講師 (90207225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 直人 東海大学, 医学部, 准教授 (50349338)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射線肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、放射線治療における重篤な合併症である放射線肺炎・線維症に対して複合型細胞シート、脂肪由来間葉系幹細胞シートや細気管支肺胞幹細胞シートを用いたシート移植療法を行い、その治療効果を検証した。 昨年度に作製した放射線肺炎動物実験モデルを利用し、各種細胞シートの治療効果をみるため複合型細胞培養シート、脂肪由来間葉系幹細胞シート、細気管支肺胞幹細胞シートをそれぞれ作製し、それぞれの細胞シートの移植を行い、その治療効果に関して、肺組織への生着率、慢性期炎症の抑制作用、線維化の抑制作用に関して検証した。 肺組織への生着率に関しては,複合型細胞培養シートが最も高くほぼ全例で生着した。脂肪由来間葉系幹細胞シートと細気管支肺胞幹細胞シートの生着率は80%であり、肺組織の基質となる成分の全てが含有されているシートほど生着率が高いことが確認された。放射線肺炎の慢性期炎症に対する治療効果はどのシートを用いても、胸部CT所見上、ある一定の治療効果が確認でき、抗線維化作用もおおむねどの細胞シートを用いても一定の線維化予防効果が確認できた。しかしながら、肺組織の構築に関して複合型細胞培養シートの効果が高く、わずかながらではあるが肺組織の構築が認められた。 本研究により細胞シート移植による総合的な治療効果の解析を行うことができ、複合型細胞培養シートの有効性が明らかとなり、本研究の遂行は有意義であったと考えられる。
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