2012 Fiscal Year Research-status Report
特定の神経活動パタンに依存したPETイメージング解析法の確立
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24659574
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
崔 翼龍 独立行政法人理化学研究所, 細胞機能イメージング研究チーム, 副チームリーダー (60312229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 康弘 独立行政法人理化学研究所, 分子プローブ動態応用研究チーム, 副チームリーダー (40382197)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | PET / 脳機能画像 / 神経活動 |
Research Abstract |
fMRIやPETなどの非侵襲的な脳機能イメージング法の発達によって,精神神経活動に関わる脳内の機能局在は画像化されつつあるが、ヒトを対象としたこれらの研究では、倫理的・技術的な制限から、精神神経活動に関わる賦活領域は描出できても、その殆どが現象の記述にとどまっており、詳細な分子・神経メカニズムについては既知の神経解剖学的知見や動物実験結果から推測するのみである。本申請研究ではラット等のげっ歯類の小動物を対象に、PETイメージングと神経生理学データを同時測定可能な実験系を確立し、特定の神経活動パタンにリンクした新たな脳機能画像の解析法を開発を目指している。今年度はまずPET撮像と神経生理学データの同時記録が可能な小動物用の固定装置を開発し、実装した。固定装置はPETプローブからのγ線減弱を最小限に抑える目的で非金属性の材質を使用した。また、これらの固定装置による放射線量の減弱度合いを推定し補正できる画像解析プロトコールを作成した。[18F]FDGを投与したラットを用いた検証実験では、固定装置による放射線量の減弱補正によって固定装置を使用しない時とほぼ同等のPET画像が得られることを確認できた。更に、PET撮像と同時測定する予定の皮質脳波(EEG)、脳血流、集合電位などの神経生理学パラメーターの測定については既に実験システムを確立済みでおり、現在マルチチャネルの単一ニューロン活動電位の記録システムをセットアップしている。今後、これらの神経生理学パラメーターとの同時記録を行い、新たな特定の神経活動パターンにリンクした脳機能画像解析アルゴリズムを開発して行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度はPET撮像と神経生理学パラメーターの同時測定に必要な固定装置作成用の材質選定に時間がかかっており、全体の実験計画がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はPET撮像と神経生理学パラメータの同時記録を行う。EEG、脳血流、単一ニューロンの活動電位などの脳内の神経活動を表す神経生理学パラメーターの中から脳機能画像を選択的に抽出できるパラメーターを比較選定し、特定の神経活動に同期化した脳機能イメージングの再構成に挑戦する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度はPET撮像と神経生理学パラメーターの同時測定に必要な固定装置のセットアップが少し遅れており、予算実行に未使用額が生じた。今年度は引き続きPET撮像と神経生理学パラメーターの同時測定を予定しており(今後の研究の推進方策参照)、今年度の研究費には関連の実験動物、PET関連試薬、活動電位記録用電極などの費用および成果発表に関わる国内・外出張、論文校閲・別刷りの費用が含まれる。
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