2012 Fiscal Year Annual Research Report
MRIを用いたマンガン標識移植細胞追跡による脳塞栓治療効果評価法の確立
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24659576
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
小高 謙一 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (20443062)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 磁気共鳴画像 / マンガン造影 / 細胞移植 / 脳虚血 / 再生医療 / 末梢血単核球 |
Research Abstract |
脳虚血疾患は、命に関わることや脳機能障害が残るなど、重篤な疾患である。さらに、運動麻痺に対する効果的な治療は未開発である。将来、脳に神経細胞移植が行われることを見越して、移植細胞の動態を追跡し、同時に脳虚血の病態変化も評価を試みた。良好なMRI造影剤であり細胞内に取り込まれて一定期間保持されるというMn2+の性質に注目し、末梢血単核球をマンガン造影剤で標識し、MRIを用い経時的に体外画像評価した。 中大脳動脈を塞栓子で虚血・再灌流した脳虚血モデルラットに、定位脳手術装置を用い、穿頭孔を作製し26G穿刺針から標識単核球2μLを線条体部に注射した。小動物用1.5-T MRIとsolenoid MRIコイルを用い、持続吸入麻酔下に撮像を行った。2D Spin echo(SE)法によるT1強調画像にて冠状断面と水平断面を得た。移植直後、12時間後、22時間後に撮像した。また、移植直前に2D multi slice(MS)法によるT2強調画像にて冠状断面を得た。移植直後は投与部に集簇している標識細胞を経時的に観察すると、対照群では同心円状に広がるが、脳虚血群では脳虚血部方向への広がりが早かった。移植後の生理機能を評価すると、脳虚血群では、平均血圧が移植後2週間に比べ3週間で有意に上昇し、対照群レベルとなった。移植29日後に脳を摘出し、HE, KB, CD31, TUNEL, TN-Cにて評価した。 末梢血単核球にマンガン標識し経時的にMRIで撮像することにより、脳病変においても移植細胞の動態評価が可能であった。使用したマンガンの投与量では、有害事象はみられなかった。微量で行えるマンガン標識は、動物実験のみならず、安全性を確立した後には臨床にも有用と期待された。
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[Presentation] IN-VIVO TRACKING OF TRANSPLANTED PERIPHERAL MONONUCLEAR CELLS LABELED WITH MANGANESE USING MAGNETIC RESONANCE IMAGING2012
Author(s)
Kenichi Odaka, Ichio Aoki, Kouichi Itoh, Junji Moriya, Kaoru Tateno, Tohru Minamino, Hiroyuki Tadokoro, Ichiro Shimoyama, Issei Komuro, Tsuneo Saga, Toshimitsu Fukumura
Organizer
International Society for Stem Cell Research 10th Annual Meeting
Place of Presentation
Yokohama、Japan
Year and Date
2012-06-15
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