2012 Fiscal Year Research-status Report
二光子レーザー顕微鏡を用いた炎症性腸疾患モデルの生体内消化管全層解析と病態解明
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24659588
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
楠 正人 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50192026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 光司 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (10345986)
井上 靖浩 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20324535)
内田 恵一 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (30293781)
奥川 喜永 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (30555545)
荒木 俊光 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (70343217)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 二光子励起顕微鏡 / infliximab |
Research Abstract |
平成24年度はマウス大腸炎モデルにおける炎症反応、その消退、粘膜再生過程の生体内イメージングを目的に、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS) colitis model(2% DSSを5日間飲水させる)を用い、DSS投与開始後7日目に開腹、盲腸を脱転、固定し二光子励起顕微鏡にて観察。閉腹後、control群および治療群(infliximab; IFX=5mg/kg)をDSS投与後7日目に同一マウスの盲腸を観察。さらに可能であれば、DSS投与後14日目にも盲腸を三次元全層観察した。われわれが開発した腹腔内臓器固定法と漿膜から各層を管腔内側に向かって消化管全層を観察するserosal-approaching methodにより、IFX群はcontrol群に比べ、DSS投与後14日目(IFX投与後7日目)の炎症細胞浸潤の消褪が観察できた。特に粘膜固有層および陰窩内に浸潤した炎症細胞数はIFX群で減少していた。しかしながら、DSS colitis modelがびまん性炎症所見を示すものの、二光子励起顕微鏡による高倍率画像において現象の定量化が課題であり、信頼性、再現性の高い定量化法を確立していく必要がある。 また、IFX投与群はcontrol群よりも炎症細胞の消褪が早いだけでなく、陰窩欠損数が少なく、陰窩の長さが長かった。このことはDSSによる炎症により一旦陰窩上皮細胞は欠損するものの再生していると考えられたが、陰窩底部から管腔側に向かって再生していく陰窩上皮細胞は今のところ観察できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二光子励起顕微鏡を用いたマウス大腸炎モデルの生体内観察法を確立でき、漿膜から各層を管腔内側に向かって消化管全層を高倍率で観察することが可能である。炎症性腸疾患モデルにおける薬物反応の形態学的変化を詳細に観察していく。
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Strategy for Future Research Activity |
本法は高倍率であるが故の様々な制限もあり、可視化した現象の定量化を確立していく必要がある。また、Alexa Fluor標識した抗体医薬が生体内でどのような振る舞いをするのかを検証していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)