2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659603
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
三浦 直行 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40165965)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / 複製 / 侵入 / ウイルス粒子形成 |
Research Abstract |
HCVゲノムトランスジェニック (HCV Tg) マウスは最もコピー数が多いマウスをA系統、次がB系統と名付けた。A, B系統のマウスの肝細胞内HCV RNAコピー数は10,000/ug RNA代であり、血液中は1,000,000 copy/ml serum代である。血液中のウイルスをRNase処理した後、蔗糖密度勾配法でウイルスを分離したところ、ウイルスの密度に相当する分画にRNA copyのピークが観察された。また、この分画を ヒトHuh7.5.1細胞に感染させると、細胞内にCore蛋白質が免疫染色にて同定された。Pol I promoterにより転写されるHCV RNAが複製されているかどうかを検討するために、複製阻害剤のBMS790052を投与すると、肝細胞内HCV RNAのコピー数は約3分の1になり、血液中のウイルスは約3分の1まで減少した。このことから、Pol I promoterにより作製されたHCV RNAは自ら産生したNS蛋白質によりマウス肝細胞内でもゲノムRNAの複製が起こっていることが判明した。このことは、マウス肝細胞のもつ蛋白質でHCVウイルスの複製は起こることが示され、ヒト特有の因子は必要ないことが示された。つまり、HCVがマウス肝細胞に感染しないのは、感染に関わる蛋白質がヒト特有であり、相当するマウス蛋白質とのアミノ酸配列が異なるために、ウイルス侵入に対する機能的な差が生じていると結論できた。
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