2013 Fiscal Year Annual Research Report
大腸発がんにおいて、低酸素・低栄養環境とゲノム不安定性とが作る負のスパイラル
Project/Area Number |
24659621
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Research Institution | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
Principal Investigator |
椎葉 健一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (90196345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島 礼 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 部長 (10196462)
田沼 延公 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 主任研究員 (40333645)
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Keywords | 低酸素 / ワールブルグ効果 / DNA修復 / 大腸がん |
Research Abstract |
本課題では、大腸上皮の多段階発がんにおける「低酸素・低栄養といった特有の微小環境における代謝特性」と、「ゲノム不安定性」との間の相互作用について検討することを目的に、研究をすすめた。その結果、平成25年度は、以下のような結果が得られた; 1)がんに特徴的な代謝異常である“ワールブルグ効果”との関連が深い、解糖系の律速酵素の一つ、ピルビン酸キナーゼM(PKM)のアイソザイム変換を不可能とした遺伝子改変マウス(PKM1ノックイン、および、PKM2ノックインマウス)を樹立した。PKM1ノックインマウスについては、BL6系統への戻し交配をスピードコンジェニック法にて行い、通常の解析にはほぼ問題ない程度までコンジェニック化が進んだ。ヘテロPKM1-、およびPKM2-KIマウス同士の交配により、ホモPKM1-、およびPKM2-KIマウスを得た。当初予想に反し、いずれのヘテロおよびホモKIマウスも、ほぼ正常に出生し、発育し、雌雄ともに繁殖可能であった。 2)DNA修復機構に関与する6型プロテインホスファターゼ(PP6)遺伝子(PPP6C)変異マウスに関して、タモキシフェエンによって活性化誘導されるCreリコンビナーゼを発現するマウスと交配し、PP6欠損を細胞特異的に、かつ時期特異的に誘導できるマウス実験系を確立した。 3)上記のPKM-KIマウスと、細胞特異的PP6誘導欠損マウスを交配し、二重変異マウスの作製を開始した。
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