2012 Fiscal Year Research-status Report
肺癌同所性移植モデルと小動物用PET/CT装置を用いた抗癌剤効果予測分子の同定
Project/Area Number |
24659634
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
近藤 和也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10263815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 均 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (00325292)
中川 靖士 徳島大学, 大学病院, 助教 (80380103)
滝沢 宏光 徳島大学, 大学病院, 講師 (90332816)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 肺癌 / preclinical animal model / 同所性移植 / PET/CT / シスプラチン |
Research Abstract |
<研究の目的>肺癌同所性移植モデル(臨床の肺癌に酷似した転移様式を持つ)と小動物用PET/CT装置を用い(犠牲死せずに治療効果を判定する)、抗癌 剤の効果の異なる腫瘍を選択し、次世代シークエンサーを使用し、網羅的な遺伝子発現解析により抗癌剤効果予測候補分子を同定するシステムをつくる。<平成24年度の研究実施計画>肺癌細胞株5種類(Ma44-3,Ma2, Ma10, Ma13, A549)、初代培養株2種類(FT, FM)を同所性移植し、マウスモデルを作成する(各5匹)。腫瘍径が2mmに達する期間(以前の実験でわかっている)でPET/CTを施行し、腫瘍径およびSUVmaxを計測する。マウスは犠牲死させ、病理組織診断に提出する(腫瘍の半分は凍結保存)。<研究実績>Ma-44肺癌細胞株の同所性移植マウスのモデル(n=6)を作成し、PET/CTにて腫瘍体積とSUVmaxを測定し、犠牲死後、腫瘍径を測定した。腫瘍体積とSUVmax(相関件数r=0.814)、腫瘍径(犠牲死後)とSUVmax(r=0.909)は良く相関した。次に、抗がん剤シスプラチンを投与し、抗腫瘍効果を測定した。PET/CTにて腫瘍体積は、経時的に指数関数的増殖し、SUVmaxも経時的に直線的に高くなる。さらにシスプラチンの投与(移植後8日目)により腫瘍体積およびSUVmaxが低下し(腫瘍体積:投与群: 6.76 ± 3.41(mm3), 非投与群: 53.8 ± 24.5 (mm3)、SUVmax:投与群: 0.50 ± 0.13, 非投与群: 1.23 ± 0.14)、PET/CTにて坑腫瘍効果を測定できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
以前の肺癌同所性移植モデルは、SCIDマウスの左肺に腫瘍を移植していたが、左心室に生理的FDGの集積があり、腫瘍のFDGの集積と一部重なるため、右肺に移植することとした。右肺は4葉からなり、腫瘍細胞が胸腔に漏れる場合があり、調整に苦慮した。左肺は1葉なので、胸腔に漏れることはほとんどない。
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Strategy for Future Research Activity |
肺癌細胞株Ma44-3では、同所性移植腫瘍のシスプラチンに対する坑腫瘍効果を測定できたので、他の6種類(Ma2, Ma10, Ma13, A549, FT, FM)の細胞株についても、同様に行う。右肺への移植の効率も良好になってきている(70-80%)。H25年の前半で各細胞株の坑腫瘍効果を測定を修了する。後半は、次世代シークエンサーを使用し、網羅的な遺伝子発現解析により抗癌剤効果予測候補分子を同定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
肺癌細胞株Ma44-3では、同所性移植腫瘍のシスプラチンに対する坑腫瘍効果を測定できたので、他の6種類(Ma2, Ma10, Ma13, A549, FT, FM)の細胞株についても、同様に行う。右肺への移植の効率も良好になってきている(70-80%)。H25年の前半で各細胞株の坑腫瘍効果を測定を修了する(PET/CTの使用料:50万円、SCIDマウスの購入料:40万円、細胞継代試薬:10万円)。後半は、次世代シークエンサーを使用し、網羅的な遺伝子発現解析により抗癌剤効果予測候補分子を同定する(low density arrayの癌の代謝、耐性関連プレート:50万円、low density array試薬:30万円、その他実験雑費:107,569円)。次年度への繰越額は試薬の購入に使用予定である。
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