2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳死ミニブタドナー肺への間葉系幹細胞移植による新規臓器保護戦略:臨床応用への挑戦
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24659637
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
佐原 寿史 鹿児島大学, 医用ミニブタ・先端医療開発研究センター, 特任准教授 (90452333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和彦 鹿児島大学, 医用ミニブタ・先端医療開発研究センター, 教授 (40241103)
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Keywords | 移植・再生医療 / トランスレーショナルリサーチ / 肺移植 / 間葉系幹細胞 / 臓器保護 / ミニブタ |
Research Abstract |
肺は感染だけでなく、豊富な血管内皮・上皮細胞や炎症細胞を有することから、脳死状態で障害が強く惹起されうる。ドナー拡大および移植後成績の更なる向上を目指したドナー臓器保護戦略として、組織障害部位に集積する走化性を持ち、局所の炎症や免疫反応を抑制する性質を持つ間葉系幹細胞に着目し、脳死ドナーへの間葉系幹細胞投与による効果を明らかにする研究を立案した。 平成25年度は、組織適合性抗原MHC確立ミニブタ間葉系幹細胞の確立およびその性質に関して実験を進めるため、脂肪および骨髄組織からの間葉系幹細胞樹立を試みた。 3頭のクラウンミニブタを用いて、脂肪組織からの間葉系幹細胞の樹立を試みたものの、始めの2例からは十分な細胞数が得られず、かつ細胞の増殖も遅いことから、in vivo実験に用いるだけの細胞を得ることができなかった。脂肪組織の裁断が十分でないことに起因すると考えられたため、3頭目については脂肪組織裁断方法の変更を行ったが、手技が煩雑であり結果的にコンタミを生じてしまい、間葉系幹細胞の樹立に至らなかった。そこで、骨髄細胞からの間葉系幹細胞樹立を試み、3頭のクラウンミニブタを用いて検討を行った。1例目は8ヶ月齢とやや高齢であったため、骨髄が脂肪化し黄骨髄となっていたため十分な量の骨髄が採取できなかった。残り2例については、培養が進み継代培養による増殖をはかっている。現在、細胞を用いて脂肪細胞や骨芽細胞への分化能があることおよびFACSによる表面抗原解析によって、この培養細胞が間葉系幹細胞の特徴を有するのかという点について、評価を進めている。このように、間葉系幹細胞の樹立に後れをとっているためin vivo投与実験は未だ行い得ていないが、実験継続により間葉系幹細胞のドナー臓器修復効果について検討を進めていく。
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