2013 Fiscal Year Annual Research Report
ステントグラフトの細径化 拡張部材の布帛への熱融着縫合固定法の開発
Project/Area Number |
24659638
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
野一色 泰晴 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (60033263)
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Keywords | ステントグラフト / 縫合糸 / 熱融着 / ポリエステル |
Research Abstract |
大動脈病変にステントグラフトが使用され良好な成果が報告されると共に、世界中で可能な限り細くて柔軟性のあるグラフト素材の開発が競争的に行われている。しかしながらわが国における多くの研究成果がその開発には生かされていない。我々はこの現実を解析し、海外メーカー製品の欠点と的確に突く改良を行う必要がある事に注目して研究を進めた結果、ステントグラフト製造工程に未解決点を見出した。すなわちニチノール線材の布帛への縫着緩み問題である。米国製品では縫合糸で頑丈に用手縫着しているが、狭いシース内にステントグラフトを無理やり押し進められる間に、緩み、ほどけ、等によりニチノール線材が布帛からズレることがある。その問題点を克服するために何重にも結紮を繰り返しているのが現実であるが、しかしながら、そうすることによって結紮個所が嵩張ることとなるので、その嵩高が細いシースへの挿入(細径化)に弊害となっている。 本研究では、我が国の繊維最先端技術である低融点成分を繊維被膜に持つ特殊ポリエステル複合繊維をステントグラフト製造の分野に導入することで、結紮部を熱融着する手法を編み出し、問題解決の糸口をつかむことができた。結紮部をポリエステルで熱融着させるアイデアである。本研究では期間内に繊維企業の協力を得て熱融着繊維を縫合糸として転用し、結紮部分が決してほつれない、という当初の目的を達した。ところが、予期せぬことも生じた。具体的に言えば、縫合糸に対する生体反応である。熱融着しやすい繊維では、異物藩王が強く出た。そこで、安全な触媒を用いて夾雑物を減らした特殊繊維を開発する方針を取って、生物学的安全性を確認して臨床でも使用可能な縫合糸開発に取り組んだ。研究期間が短かく成果の特許性も考え、いまだ成果報告や論文発表には至っていない。しかし本アイデアはまだ海外でも例を見ず、現時点では最先端を走っていることもわかった。
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[Journal Article] Elevated microsatellite alterations at selected tetra-nucleotide (EMAST) in non-small cell lung cancers - a potential determinant of susceptibility to multiple malignancies2013
Author(s)
H. Arai, K Okudera, H. Oshiro, N. Komitsu, H. Mitsui, T. Nishi, M. Tsuboi, A. Nozawa, Y. Noishiki, K. Ohhashi, K. Inui,M.Masuda
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Journal Title
Int. J. Clin. Exp Patho
Volume: 6(3)
Pages: 359-410
Peer Reviewed
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