2014 Fiscal Year Annual Research Report
膠芽腫に対する新規血管新生抑制療法:光線力学療法と合成ペプチド療法
Project/Area Number |
24659645
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高野 晋吾 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50292553)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上羽 哲也 高知大学, 医歯学系, 教授 (00314203)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 血管新生 / FGF2 / FGF2受容体 / アンチセンスホモロジーボックス / 合成ペプチド / 脳梗塞 / 血管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
膠芽腫に対するVEGF中和抗体の劇的な効果は一時的であるため、ほかの手段による血管新生抑制療法が必要である。そこでVEGF同様、強い血管新生作用を有するFGF2の抑制効果を計画した。FGF2の抑制効果も通常の抗体療法あるいは阻害剤ではなく、FGF2特異的な抑制物質の探索を行うために、FGF2受容体に対するアンチセンスホモロジーボックス(AHB)からの合成ペプチド療法を考案した。FGF2受容体の遺伝子配列、アミノ酸配列はすべて決定されており、コンピュータープログラムによるすべての可能なAHBの探索により、FGF2受容体の標的ペプチドに対応する相補ペプチドを13種類合成した。 まず、対象とする2種類のヒト血管内皮細胞にFGFR2 受容体(αとβ)の発現があることをPCRで確認した。合成ペプチドの血管新生抑制効果をin vitroヒト血管内皮細胞の増殖試験で確かめた。予想に反して、合成ペプチドの一部に非常に強い内皮細胞増殖効果を認めた。一方、他のペプチドも含めて内皮細胞の増殖抑制効果は見られなかった。この細胞増殖効果はグリオーマ腫瘍細胞では認められなかった。さらに、そのペプチド投与により、内皮細胞内でのFGF2増殖シグナルが増加していることをウエスタン解析で示した。しかし、Biacore assayを行い、ペプチドがFGF2受容体に生理学的に結合するかどうかを何種類かの方法で確かめたが、その結合様式を明らかにすることができなかった。そこで、ペプチドの3個のアミノ酸残基をランダムに変更した変換ペプチド、内皮細胞でFGF2受容体のsiRNAでのノックダウンでペプチドの受容体への作用の特異性を検討している最中である。これらの結果から、FGF2受容体に対するAHBペプチドの血管新生促進効果を確実なものにし、さらにin vivo脳梗塞モデルでの血管新生療法を考案する予定である。
|
Research Products
(1 results)